どんな「凍結された紛争」も再燃の可能性があり、紛争は凍結させるべきでない=ゼレンシキー大統領

ゼレンシキー大統領は2日、アルメニアとアゼルバイジャンの間で激化しているナゴルノカラバフ紛争につき、同紛争の現在の激化はどのような「凍結された紛争」もまた再燃する可能性があることを示していると指摘した。

ゼレンシキー大統領がチェルニウツィー訪問時に記者団に対して発言した。大統領府広報室が伝えた

ゼレンシキー大統領は、ウクライナはアルメニアとアゼルバイジャンに対して、ナゴルノカラバフ地域の情勢の沈静化を呼びかけていると述べ、ウクライナが紛争当事者の一方に軍事支援を供与する可能性はないと発言した。

大統領は、「ウクライナには、理解できる、思うに、均衡のとれた正しい立場がある。それは、私たちはアゼルバイジャンとアルメニアに対話とその紛争の沈静化を呼びかけるというものだ」と発言した。

更に大統領は、過去数日のナゴルノカラバフでの新たな情勢激化は、どのような「凍結された紛争」も何年も経った後に再燃する可能性があることを示すものだと指摘し、紛争は終わらせるべきであり、凍結するべきではないと強調した。

大統領は、「私は、どのような凍結された紛争も存在すべきでないと思っている。なぜなら、たとえ戦争開始から30年経っていたとしても、工作なり挑発なりが起こり、それが爆発を引き起こすからだ」と発言した。

また大統領は、近年ウクライナとアゼルバイジャンは、経済面と地政学面で密接な関係を築いていると指摘し、そのためウクライナはアゼルバイジャンを支持する立場に立ってきたし、今後も同国側に立っていくと発言した。

同時に大統領は、軍事支援、人道支援、その他の支援の外国への供与/不供与の決定採択は、大統領・最高司令官の権限に属するものであり、最高会議などその他の人物の権限ではないと強調した。

これに先立ち、最高会議(国会)与党「人民奉仕者党」会派のリュドミラ・マルチェンコ議員が、テレビ出演時に、必要になればウクライナはアゼルバイジャンに軍事支援を供与する準備があると発言していた。これに対して、クレーバ外相、アヴァコウ内務相、人民奉仕者党が、ウクライナは外国へ軍事支援を行わないと発言している。

写真:大統領府