「ウクライナへの出国はEU側のビザがなかったからだろう」=ベラルーシ調整評議会メンバー

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8日にベラルーシ当局から強制的に出国させられた野党勢力「調整評議会」メンバーであるアントン・ロドネンコフ氏とイヴァン・クラフツォフ氏は、自身らがウクライナ側へ出国させられたのは、自身らがシェンゲン圏のビザ(査証)を有していなかったからだろうとの見方を示した。

8日、ロドネンコフ氏とクラフツォフ氏がキーウ(キエフ)市内のウクルインフォルムでの記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

記者から、なぜウクライナへと出国させられたのだと思うかと尋ねると、ロドネンコフ氏は、「(編集注:どの国へ向かうかにつき)実は議論があった。私は、シェンゲン・ビザがあるか聞かれた。しかし、私が持っていたのはエストニアのビザだけだったので、ポーランドにもリトアニアにも行くことができないし、更にはコロナウイルスの問題もある。それで、おそらくベラルーシの特殊機関職員にとって、最善の案がウクライナだったのだろう。私とイヴァンをポーランドにもリトアニアにも送ることができなかったのだ」と発言した。

同氏はまた、ベラルーシの特殊機関は私たちをEUへと送ることで「西側がベラルーシの情勢を不安定化している」と示したがっていたのだと思うとしつつ、しかし彼らはその計画を実現できなかったのだと発言した。

これに先立ち、7日、野党勢力「調整評議会」メンバーのコレスニコヴァ氏らがミンスク市内で正体不明の人物により拉致されたとの目撃情報が伝えられていた。その後、8日朝、ウクライナ国境警備庁は、ロドネンコフ氏とクラフツォフ氏の2名のみウクライナ国境検問地点に到着したことを伝えた。同時に、ベラルーシ国境警備委員会は、ウクライナ・ベラルーシ国境地点にてコレスニコヴァ氏を拘束したと発表していた。

写真:アナトリー・シリク、パウロ・バフムート/ウクルインフォルム