独外相、露野党政治家への毒殺未遂事件後初めて、独露新ガスパイプライン建設に言及

ハイコー・マース独外相は、独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の建設完了と、ロシアによる同国野党政治家アレクセイ・ナワリヌイへの毒殺未遂事件の捜査を関連付ける可能性を排除していない。

独DW通信がマース外相のBild am Sonntag紙へのインタビュー時の発言を報じた

マース外相は、「私は、ロシア人たちが、ノルド・ストリーム2について私たちに立場変更をさせるようなことがないよう期待している」と発言した。

外相はまた、ノルド・ストリーム2の建設プロジェクトには欧州12の国から100以上の企業、内約半分はドイツ企業、が参加しているのであり、その建設停止は欧州ビジネスに損害をもたらすと指摘した。

その上で外相は、今回のロシアへの圧力に関する議論をノルド・ストリーム2のテーマに限定するのは正しくないとしつつも、同時に、今後数日以内にロシア側からナワリヌイ氏へのあり得る服毒への捜査に関連した行為が一切なければ、ドイツ政府は「パートナーたちとロシアへの対応について協議をせざるを得なくなる」と発言した。

外相は、「私たちが制裁について考える場合、その制裁対象はできる限り具体的とならねばならない」と強調した。

なお、これに先立ち、8月20日、ロシアの野党政治家アレクセイ・ナワリヌイ氏の体調が航空機の中で悪化し、航空機はオムスクに緊急着陸、ナワリヌイ氏は病院へ搬送された。8月22日、同氏は特別機でベルリンに移送。ナワリヌイ氏は現在まで昏睡状態であり、容態は依然深刻だと伝えられている。

9月2日、ドイツ政府は、検査によりナワリヌイ氏の体内からソ連時代製造の神経剤「ノビチョク」系が見つかったと発表した。