日本外務省、ベラルーシ情勢につき新たな報道官談話を発出

19日、日本外務省は、9日の大統領選挙実施以降、全国で抗議の続いているベラルーシ情勢に関し、報道官談話を発出した。

外務省公式ウェブサイトに外務報道官談話が掲載された

談話には、「ベラルーシでは、大統領選挙が実施された8月9日以降、大規模な抗議活動が続き、治安部隊との衝突により抗議集会参加者の死傷・拘束が生じて」いると説明されており、その上で、日本政府は「こうしたベラルーシ情勢を懸念を持って注視しており、ベラルーシ当局に対し、平和的に行われている抗議集会の参加者に対する暴力及び恣意的な拘束並びに被拘束者に対して行われているとされる不適切な扱いを直ちに停止することを」要求すると書かれている。

また、同談話にて、日本政府は「ベラルーシ国内の幅広い政治勢力の間で対話が行われ、ベラルーシ国民の意思を反映し、法の支配と民主主義の原則が遵守される形で、同国の安定と発展が確保されることを強く期待」するとの立場を表明している。

これに先立ち、8月9日、ベラルーシでは大統領選挙が実施された。同国の中央選管は、14日に、最終開票結果として、現役大統領のアレクサンドル・ルカシェンコ候補の得票約80%であり、有力視されていたスヴェトラナ・チハノフスカヤ候補の得票は約10%だったと発表。

これに対して、ベラルーシ市民が全国にて、中央選管の発表に疑問を提示して抗議を続けている。抗議者たちは、選挙結果は捏造されており、実際にはチハノフスカヤ候補がルカシェンコ候補に大差で勝利したと考えている。この抗議運動により、抗議者と治安機関の間で衝突が起き、多くの拘束者や死傷者が出ている。

チハノフスカヤ氏は、11日にベラルーシを出国し、リトアニアへ移動。18日、チハノフスカヤ氏は、動画メッセージにて、欧州各国首脳に対して、9日の選挙結果を認めないよう呼びかけるとともに、対話を通じたベラルーシの政権交代を目指す調整評議会を作ったことを報告し、同評議会が新しい大統領選挙の開催を求めていくと伝えている。

写真:ナーシャ・ニーヴァ