ゼレンシキー大統領、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領と電話会談 拘束傭兵の引き渡しにつき協議

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と電話会談を実施し、ミンスク近郊にて拘束されたロシアの民間軍事会社「ワグナー」傭兵のウクライナへの引き渡しにつき協議を行なった。

5日、ウクライナ大統領府広報室が公表した

発表によれば、両国大統領は、7月末にベラルーシ領にて民間軍事会社「ワグナー」に属する人物が拘束されたことに関係する問題を詳細に協議した。両首脳は、とりわけウクライナ領にてテロ活動を行なっていた疑いのある人物をウクライナへ引き渡すという文脈において、両国の関連当局の今後の効果的連携が重要だと指摘した。

ゼレンシキー大統領は、ウクライナ東部ドンバス地方にて違法集団の行為に関与した人物は刑罰を免れないとの確信を表明し、「ウクライナ領でのテロ活動を行った容疑のある者が全員、刑事責任追求のために、現行国際法に従って私たちに引き渡されることを期待している」と発言した。

その他、両首脳は、今年秋に予定されているウクライナ・ベラルーシ第3回地域フォーラムの準備についても注意を向けた。

ゼレンシキー大統領は、ルカシェンコ大統領に対して、7月にウクライナ西部で洪水の被害を受けた住民に人道支援を供与したことにつき、謝意を伝えた。ゼレンシキー大統領は、「そのベラルーシの真の友好のジェスチャーは、私たちの国の間のパートナーシップの価値を改めて強調するものだ」と発言した。

また両首脳は、両国の新型コロナウイルス感染(COVID-19)拡散と被害克服の状況についても協議を行った。

これに先立ち、7月29日、ベラルーシの治安機関がミンスク近郊にてロシアの民間軍事会社「ワグナー」の傭兵33名を拘束したと発表していた。同国国営メディアは、彼らは、「選挙期間中の情勢不安定化のために」7月25日にベラルーシに入国していたと報じた。ルカシェンコ大統領は、安全保障会議において、ロシア連邦を「汚い意図がある」として断罪している。

ベラルーシにて拘束されたよう傭兵の中には、ウクライナのドネツィク・ルハンシク両州出身者が含まれていることが分かっている。ウクライナ大統領府は、ウクライナはベラルーシに対し、ドンバスにおける犯罪容疑のある、ロシアの民間軍事会社「ワグナー」戦闘員の引渡しを要請すると発表していた。

なお、現在ベラルーシでは、8月9日に投票日を迎える大統領選挙の選挙運動が続いている。野党勢力では、同様に出馬が認められなかったツェプカロ氏とヴィクトル・ババリコ氏が、スヴェトラナ・チハノフスカヤ氏への支持を表明しており、このチハノフスカヤ氏が同選挙における主要な野党候補となっている。

写真:ベラルーシ大統領府