ウクライナ外務省、被占領下クリミア・ドンバスでの軍事パレード開催につきロシアに抗議

ウクライナ外務省は、5月24日にロシア連邦が被占領下にあるクリミア、セヴァストーポリ、ドネツィク、ルハンシクにて軍事パレードを実行したことにつき抗議の口上書を送付した。

25日、外務省広報室が声明を発表した

声明には、6月24日にロシア連邦がウクライナの同意を得ずに一時的被占領下にあるクリミア自治共和国、セヴァストーポリ市、ドネツィク市、ルハンシク市にて戦勝記念の軍事パレードを実施したことを、ウクライナは「ウクライナ国内法と、2014年3月27日付国連総会決議А/Res/68/262『ウクライナ領土一体性』を含む、国際法の規範に対するロシアによる明白な軽視とみなしている」と書かれている。

また、外務省は、今回の行動は、ロシア連邦がウクライナ・ロシア関係の緊張を更に高めようとしており、自らの軍事侵略とウクライナ領占領により発生した問題の解決を望んでいないことを改めて示すものだと強調している。

更に声明には、ロシア連邦の占領下にあるドネツィク市とルハンシク市にて「軍事パレード」が実施された際、155ミリ口径榴弾砲2A65ムスタ-B、122ミリ口径榴弾砲2C1グヴォズディカ、122ミリ口径自走多連装ロケット砲BM-21グラート等の兵器が披露されたが、これらはロシアが署名し、当事者となっているミンスク諸合意への著しい義務違反であると指摘されている。具体的には、2015年2月12日付「ミンスク両合意履行のための方策パッケージ」第2項と、戦車、特定口径の榴弾砲、迫撃砲の撤収に関する同方策パッケージへの追加文書第2項に関する違反だと説明されている。

また、外務省は、今回のロシアによる占領下クリミア・セヴァストーポリでの軍事パレードの実施は、同国によるクリミア軍事化政策の一環だと指摘した。

ウクライナ外務省は、ロシア連邦に対して、ウクライナの主権・領土一体性に対する国際法違反行為を速やかに停止するとともに、自国軍、兵器、傭兵の撤退を含む、ウクライナ主権領土の一部の脱占領を進める方策をとるよう要求している。外務省は、ロシア外務省に対して関連の抗議の口上書を送付したと伝えた。

なお、ロシア連邦は、例年5月9日に実施している対独戦勝記念式典を、今年は新型コロナウイルス感染の拡大を受け、6月24日に延期して開催していた。