仏独のロシアに対する圧力は不十分=元米特別代表

元米国務省ウクライナ問題特別代表であるカート・ヴォルカー氏は、ミンスク諸合意を履行していないロシア連邦に対してドイツとフランスが十分に圧力をかけていないと指摘した。

10日、アトランティック・カウンシル主催のドンバス情勢に関するオンライン会議の際に、ヴォルカー氏が発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ヴォルカー氏は、「米国は、残念ながら、私が9月に職を去ってから、そのプロセスにて大きなサポートの役割を担っていない。私は、米国はその点で本当に損失したと思っており、現在はフランスとドイツの肩に全てがかかっている状態だ」と指摘した。

同氏はその点で、ドンバス情勢展開に「大きく失望している」と述べ、「フランスとドイツは、ロシアがミンスク諸合意に違反していると明確に指摘していないのだ」と説明した。

同氏は、ロシアはミンスク諸合意の当事者かつ署名国なのであり、ロシア政権が主張するような監視者ではないと強調した。

その上で、ヴォルカー氏は、「ロシアは、紛争の主人公であり、合意の当事者であるが、そのロシアが自らの負った義務を履行していないのだ。私は、それは最も重要なことの一つだと考えている」と指摘した。

なお、カート・ヴォルカー氏は、米国務省ウクライナ問題特別代表を2019年に辞任するまでは、ウクライナ問題にてロシア政権の当時ウクライナ問題担当であったウラジスラフ・スルコフ氏と協議を行なっていた他、ノルマンディ・フォーマットのドイツやフランスの担当者とも協議を行なっていた。