年内にクリミアとの行政境界線近くに避難民用大型施設を建設=ゼレンシキー大統領

ウクライナ南部のヘルソン州と被占領下クリミアとを結ぶ通過検問地点「チョンハル」付近にて、年内に、クリミアからの避難民を対象とした、行政サービス等の提供を可能とする大型ハブが開設される。

26日、ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領が、キーウ(キエフ)で開催された、ロシアによるクリミア占領への抵抗が始まってから6年を記念する「クリミア時代」(Age of Crimea)フォーラムの際のスピーチで発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

大統領は、「国は、Socar社(編集注:アゼルバイジャン国営石油関連企業)とともに、年内にチョンハルにて、国民向けサービスのハブを開設する。そこでは、行政サービス・センターや、休憩ゾーンなど、非常に重要な施設が入る」と発言した。

大統領はまた、クリミアに暮らしている、あるいは、クリミアに居住登録のある、多くのウクライナ国民がクリミアのウクライナ返還を待ち望んでいるが、現地では危険を考慮してそのことを口に出さないでいると指摘し、ただし、それはそのような人が存在しないことは意味しないのだと強調した。

大統領は、「そして、国が彼らについて忘れていないということを、彼らに知らせるべきなのだ。過去数年、政権は、あらゆる場所で、クリミアはウクライナだと述べてきた。しかし、実際には、クリミアの住民がウクライナ政府発行の生誕証明書を受け取るには非常に複雑な裁判プロセスが必要であったし、銀行口座開設すらできず、金融モニターが彼らを『リスク・グループ』に入れたため、融資を受けることもできなかった。私は、それはあってはならないこと、ウクライナ、ウクライナ人にとって恥ずべきことだと思っている。6年間、この問題が続き、今ようやく政府がそれらを解決しようとしているのだ」と発言した。

なお、ヘルソン州のクリミアとの通過検問地点「チョンハル」は、昨年9月に改修作業が始まり、11月15日に業務を再開している。

2月26日、キーウでは、「クリミア占領への抵抗の日」を記念した行事が開催された。