【国連安保理】ロシアがウクライナ東部で展開する兵力は複数EU加盟国の兵力より大きい=宇外務次官

ロシア連邦は、ウクライナ東部ドンバス地方の自国占領軍に対して、引き続き兵器、兵員、傭兵を供給し続けている。

18日、国連安保理におけるウクライナ問題会合の際に、キスリツャ外務次官が発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

次官は、現在被占領下ドンバス地方にて展開されているロシア占領軍の兵力は、戦車約500両、装甲車約1000台、多連装ロケット砲約130台、火砲約800台だと伝えた。

同次官はまた、6年間のロシアによるドンバス軍事侵攻により、1万3000人以上が死亡、2万7000人が負傷、140万人強が避難民となっていると説明し、占領されている地区は恐怖と粛清の地と化していると発言した。

加えて次官は、地元経済が破壊され、企業は破綻しているか、ロシアに持ち去られていると指摘、また、今年人道支援を必要とするのは340万人以上となっていると述べた。更に、同次官は、国連のデータを参照し、同地が世界で最も地雷の多い地域の一つとなっていると発言した。また、ロシア連邦が昨年被占領地に運んだ兵器は、4000トン以上に上ると述べた。

次官は更に、ロシアが被占領地にてロシア国籍を違法にばらまいているとし、既に12万5000人に対してロシア国籍が付与されたことを喚起した。

次官は、クリミアに関しては、政治囚や弾圧の被害に遭うウクライナ人やクリミア・タタール人の数が増加し続けていることを指摘し、「クリミア半島の周辺に『沈黙の壁』が作られ、その中では、国際社会が国連決議違反を確認することができていない」と強調した。

国連人権監視ミッションや国連事務総長の報告を参照して、ロシアがクリミア半島の人口構成を変化させていると指摘し、13万人以上の軍人や公務員が同地に移住して来ていると発言した。

次官は、クリミアの軍事化が進んでいることを喚起し、「ロシアはクリミアに追加兵力を持ち込んでいる。とりわけ、核弾頭移送のためのものだ」と発言した。次官は、クリミアの兵力は約3倍に増加しており、「黒海地域及びその周辺地域にとっての深刻な脅威を生み出している」と発言した。