ゼレンシキー大統領、クリミア問題担当代表と会談 ヘルソン州にクリミア避難民向け空間建設へ

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は13日、アントン・コリネヴィチ・クリミア自治共和国ウクライナ大統領代表たちと会談した。大統領は、トルコ大統領との間で、ヘルソン州にクリミアからの避難民向けの空間を建設することに同意したことを伝えた。

大統領が、コリネヴィチ代表、ダルヤ・スヴィリドヴァ副代表、タミラ・タシェヴァ副代表との会談時に発言した。大統領府広報室が伝えた

大統領は、会談時、「ヘルソン州にて、クリミアからの避難民のためのミニタウンを建設する予定だ。避難民の中には、500以上のクリミア・タタール家族が含まれる」と発言した。大統領は、本件は、エルドアン・トルコ大統領との会談時に達成された合意なのだと説明した。

大統領は、「私たちは、そのようなミニタウンを作りたい。今年、私たちは建設を始めなければならない。あなたたちによる連絡と管理が必要だ」と強調した。

更に大統領は、ヘルソン州とクリミアの間の通過検問地点「チョンハル」に、行政境界線越境を快適なものとするための優れたインフラによる特別ハブが作られ、更に近隣の道路の質を向上し、交通網を確保するのだと発言した。

大統領はその計画につき、「私のアイデアは、私たちのクリミアの人々への姿勢を示すことにある。彼らが(大陸側に)やってきたら、そのミニタウンを目にする。そして彼らは違いを感じるのだ。ここ(大陸側)では、ガソリンスタンド、学校、幼稚園、建物、全てがより良い水準となるのだ」と説明し、コリネヴィチ・クリミア代表にそのプロジェクトの原動力になるよう呼びかけた。

大統領は更に、被占領下クリミア在住の児童たちがウクライナの高等教育機関に入学する際の手続きを簡素化するプログラムを実現することの重要性を強調し、「彼らが通過検問地点にて直接全ての文書が入手でき、どんな大学にも入れるということがわかるようにするのだ」と発言した。

これに対して、コリネヴィチ・クリミア代表は、2月12日に通過検問地点「チョンハル」にて、最高会議(国会)人権問題委員会が、クリミア住民の出席を得た上で遠征会合を開いたことを報告した。代表によれば、その会合時に、クリミア住民がクリミアでの人権侵害事例を報告した他、医療、教育、行政、その他サービスの施設への障害のないアクセスが得られるようになることが重要だと語ったと伝えた。

コリネヴィチ代表は、ゼレンシキー大統領に対して、クリミア自治共和国ウクライナ大統領代表部の活動に注意を向けたことに謝意を伝え、「クリミアが議題に恒常的にあり続けるよう」、被占領地問題に関する更なる共同作業の重要性を強調した。

更に、コリネヴィチ代表は、大統領に対して、政治囚保護法案の作成作業を加速させるよう促して欲しいと依頼した他、(クリミアの脱占領に向けた)移行司法体制のコンセプト上の視点を提示し、またクリミア・タタール民族をサポートすることの重要性を説いた。

ゼレンシキー大統領はまた、能力のあるクリミア住民がに対してのグラント(コンクール型資金提供)提供を行なう特別基金の設置の案を支持した。グラントは、能力あるクリミアの住民が発展、学習、国際社会でのウクライナの紹介を行うために提供されることが想定されている。

コリネヴィチ代表は、「そのグラントは、完全に人文目的のイニシアティブだ。それは、国家が彼らに期待しているということ、ウクライナは本当に欧州であり自由なのだということを示すものとなる」と発言した。

写真:大統領府広報室