国連安保理開催 ウクライナ被占領地住民への国籍付与簡素化露大統領令を受け

25日、国連にて、ウクライナの一時的被占領地情勢を協議する安保理会合が開催された。

同会合は、ウクライナの要請を受けて招集された。

ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

コーエン米国副代表は、「ロシアが本当にウクライナのロシア語話者の福祉に関心があるというならば、ロシア・ウクライナ関係の新しい路線をはじめるためにこのタイミングを利用し、平和達成のためにポロシェンコ大統領と次期大統領との協力手段を模索していただろう。実際には、ロシアは、既に1万3000人の命を奪った紛争を更にあおっている」と発言した。

同米国副代表はまた、国籍付与簡素化のロシア大統領令はウクライナの主権と領土一体性への攻撃であるとし、「ドンバスはウクライナであり、会話言語に関係なく、住民はウクライナ人である」と指摘した。

同米国副代表は、「ポロシェンコ大統領もゼレンシキー次期大統領も、ミンスク諸合意がウクライナ東部紛争終了のための最善の手段であることを確認している。ロシアがウクライナ大統領選後4日目でミンスク・プロセスを破綻しようとすることは看過しない」と強調した。

また同会合で、デラトル・仏代表が、本件に関し、ドイツ、フランス、ポーランド、ベルギー、イギリス、イタリア、オランダ、スウェーデンの共通の立場として声明を読み上げた。

同仏代表は、「私たち、EU加盟国は、ウクライナの国際的に認められた国境内での独立、主権、領土一体性を支持している」と延べ、今回のロシア大統領令は「ウクライナの主権を破綻させるもの」であり、「ミンスク諸合意の目的と精神に反する」と強調した。

さらに、同仏代表は、この決定がウクライナ大統領選直後というタイミングで出されたことは、ロシアがウクライナを引き続き不安定化させ、紛争を激化させようとしていることを証明するものだと指摘した。

その上で、EU諸国は、ロシアに対して、「ミンスク諸合意履行にリスクをもたらし、被占領地へのウクライナ政府のコントロールを完全に回復することの障害となるいかなる類似の行為も控えるよう」呼びかけた。

さらに、声明には、ロシアは被占領地の分離主義者への財政・軍事支援を速やかに停止し、ミンスク諸合意を完全に履行せねばならないことが強調されている。