OSCE監視団の無人機撃墜は「非常に深刻」=OSCE事務総長

欧州安全保障協力機構(OSCE)は、ウクライナ東部のドンバス地方被占領地域で特別監視団(SMM)が使用している長距離無人機(UAV)が撃墜された事件を調査しており、原因が解明し次第、罪人に責任を負わせるつもりである。

21日、トーマス・グレミンガーOSCE事務総長がウィーンで開催された第18回OSCE議員総会冬季会議の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

グレミンガー事務総長は、ウクライナ側代表団の質問に対し、「私たちは、本件を非常に深刻に受け止めている。現在、調査が継続している。UAV撃墜の原因を突き止め次第、罪人に責任を負わせるよう努力していく」と発言した。

また、同事務総長は、「OSCEウクライナ特別監視団(SMM)の移動の自由が様々な形で制限されていること、SMM要員やSMMの資産に対する敬意がないことを遺憾に思っている」とし、「(SMMの資産への敬意がないというのは)SMMが監視に用いている、長距離、中距離、短距離の各種UAVに対するジャミングや銃撃・砲撃を含む」と強調した。

なお、同事務総長に質問をした、OSCE議員総会ウクライナ代表団団長のアルトゥール・ヘラシモウ・ウクライナ最高会議議員は、OSCE事務総長にOSCE予算・資産の効果的利用に責任があると指摘しつつ、SMMがウクライナの被占領地域にてロシア占領政権により移動の自由を制限させられている状況をどのように打破するつもりか、SMMのUAV撃墜に関しロシアからどのように補償を得るつもりかと尋ねていた。

ヘラシモウ議員は、「OSCE・SMMは、ロシアが占領するクリミアとドンバスにおいて、ロシア占領政権によりアクセスを拒否されている。クリミアは、完全にアクセスが拒否されており、ドンバスでも制限されている。過去2か月で、ロシア軍は、SMMの長距離UAVを2機撃墜した。2機目撃墜は、つい3日前のことである」と強調していた。

写真:OSCE/Isabella Zaratsyan