「ウクライナは内戦」「クリミアは永遠にロシア領」=ロシア代表の国連演説

ロシアの国連常駐代表は、国連総会の討論会にて、これまで同様、クリミアは「永遠に」ロシア領だ等の見解を繰り返した。

20日、国連総会における「ウクライナの一時的被占領地域における情勢」特別討論の際にヴァシーリー・ネベンジャ・ロシア国連常駐代表が演説の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ネベンジャ露常駐代表は、「クリミアについては、私は今日、話すつもりもない。クリミアはロシアである。この問題は、クリミア住民自身により、永遠に閉ざされたのである」と発言した。

ネベンジャ露常駐代表は、他にも、これまでと同じ内容のロシア・プロパガンダの内容を繰り返した。例えば、ウクライナで起こっていることは「内戦」であり、ロシアの軍事介入ではないとか、ヤヌコーヴィチ前ウクライナ大統領の現在も「合法」であるとか、ウクライナのナショナリストが集会であたかも「ヒトラーの発言を引用している」とする等の発言が聞かれた。

さらに、ネベンジャ露常駐代表は、ウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州をロシアが占領しているというのは「伝説のような」話であると指摘した。

また同常駐代表は、プーチン露大統領と近親関係にあるウクライナの政治家ヴィクトル・メドヴェチューク(編集注:野党プラットフォーム・生活のため党幹部)を支持しなければならないとも発言した。

同常駐代表は、ウクライナがロシア発監視員の今後の選挙への参加を禁止したことを批判し、またウクライナ政権が親欧米路線を採っていることを非難した。

ネベンジャ・ロシア常駐代表は、「私たちにとってはウクライナにおける紛争は痛みである。しかし、西側の戦略者たちにとっては終わりなき喜びのようである。なぜなら、西側の人々は、ロシアにとって悪いことが起これば起こるほど、それは良いことだと考えているからである」と冷笑的な発言も行った。

なお、2014年にロシアがウクライナに対して軍事侵略を開始して以降、アメリカ、欧州連合(EU)、その他複数の国々がロシアに対して制裁を科し始めた。これらの国々は現在まで、制裁は、ロシアがミンスク諸合意を履行し、クリミアをウクライナに返さない限り、制裁を維持し続けると強調している。

今回の特別討論は、昨年、ウクライナ国連代表団により2019年の国連の議題に「ウクライナの一時的被占領地域情勢」が含められたことから開催されたものであり、ロシアによる対ウクライナ武力侵略開始から5年経過となる2月20日にこの議題での第一回特別討論の開催が決まっていた。