OSCE、ロシアとの国境付近における無人機消失を詳細に調査する

OSCEは、10月27日に行方がわからなくなった長距離無人飛行機(UAV)について、詳細な調査を実施する。

6日、ミンスク(ベラルーシ)で開催された三者コンタクト・グループ(TCG)会合の後、マーティン・サイディック欧州安全保障協力機構(OSCE)TCG特別代表が発言した。

サイディック特別代表は、「私は、OSCEウクライナ特別監視団(SMM)が、OSCEの歴史上、最大かつ最も高価なミッションであり、OSCE加盟国の税金によって財政がなりたっていることを強調したい。この点を考えると、この事件の詳細な捜査は不可欠である」と発言した。

サイディック特別代表は、ミンスク諸合意の全ての署名者に対し、「SMM要員と機器の安全と一体性を守り、また、SMMが障害なく活動するための条件を保障すべく、あらゆる必要な方策をとるよう」呼びかけた。

これまでの報道にあるように、10月27日午前1時18分、SMMの長距離UAVが、ドネツィク州非政府コントロール地域に位置するカリノヴェ(ドネツィク市東方72キロ)付近の上空を飛行中、地対空ミサイルシステム9K33「オサ」とニジュニョクリンシケ(ドネツィク市東方66キロ)にて燃料輸送用タンクローリー車を発見。同日午前1時36分、同UAVは、ロシアとの国境付近の近くに国境検問地点のない未舗装道路にて7台の輸送車からなる車列を発見。その後、このUAVは、この車列の監視のために南方へ飛行した。

午前1時53分、同UAVがニジュニョクリンシケ付近を飛行していた際、SMMは同UAVとの通信を完全に失った。通信が途絶えるまでの約30分間、サウリウカとニジュニョクリンシケの間の地区にて、UAVは、ジャミングと評価される障害を断続的に受けていた。同UAVは、陸上にあるステパニウカ(政府コントロール地域、ドネツィク市北方54キロ)付近の操縦地点には戻ってこず、消失したとみなされている。

ドイツとフランスは、ノルマンディ・フォーマット参加国として、この10月27日のSMMの長距離UAVの消失を非難し、本件の責任はロシアにあると発表した。

ドイツとフランスは、過去数週間、SMMの長距離UAVは、ロシアからの車列がウクライナ領に越境する場面を複数回記録していたこと、加えて今回UAVの通信が途絶える前には地対空システムを確認していたことを指摘した。