【宇独首脳会談】ポロシェンコ大統領「ドンバスの偽選挙を世界は認めない」

ドンバスで、ウクライナ国内法と欧州安全保障協力機構(OSCE)の基準にのっとった、公正で、透明かつ民主的な選挙を行うことが、情勢解決の唯一の道である。

1日、ポロシェンコ大統領が、キーウ(キエフ)において、メルケル・ドイツ首相との共同記者会見で発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ポロシェンコ大統領は、「唯一の情勢解決の道は、ドンバス地方において、公正で、透明かつ民主的な選挙を、ミンスク諸合意に記載されているように、ウクライナ国内法とOSCE基準にのっとって実施することである」と発言した。

同大統領は、ドンバス地方での選挙実施について、全ての違法な軍部隊と兵器が撤収され、さらに「武装集団と傭兵の撤収と武装解除、政治的多元主義、複数政党の参加、平等な(選挙参加の)権利、報道へのアクセス、その実現のためのドンバス地方全域でのウクライナのテレビ・ラジオ放送の再開、という諸原則」が遵守されて初めて、このような選挙が可能となると強調した。

ポロシェンコ大統領は、「現在の偽の選挙は、以前のものと同様、法的観点から無意味なものであり、また、一切の法的効力を発生させるものではない。彼らの言うところの結果が国際社会に認められることは決してない」と強調した。

また、同大統領は、メルケル独首相とともに、被占領下ドネツィク・ルハンシク両州においてロシア連邦が組織している偽選挙を非難するためのアプローチを調整したとし、「この選挙は、クレムリンにドンバス情勢を平和的に解決させる用意がないことの明確な証拠である。このようなロシアの明白な挑発行為は、ミンスク諸合意の文言と精神に真っ向から反している」と強調した。

大統領は、ロシアがミンスク・プロセスを破綻させようとしたのは今回が初めてではないとし、「私たちは、2014年の出来事、いわゆる衝突ラインが定められたミンスク議定書とミンスク覚書(編集注:2014年9月署名)が署名される前と後のことを覚えている。地方自治の特別規定に関するウクライナ法(編集注:いわゆるドンバス特別自治法)が採択され、同年12月に地方選挙が実施されることが決められた時になって、ロシア連邦が11月に一方的な手続きでもって偽選挙を組織したことを、私たちは覚えている」と喚起した。

ウクルインフォルムがすでに報じたように、被占領下ドネツィク・ルハンシク両州では、武装集団が11月11日に「選挙」実施を予定している。

ウクライナ外務省は、これまでに、ロシア連邦占領行政府が一時的被占領下ドンバス地方でいわゆる「繰り上げ選挙」を実施しようとしていることは、ミンスク諸合意の当事者であるロシアによる著しい義務違反であると発表していた。