クリミアのチタン工場、引き続きアルミャンシク住民に被害:地元環境専門家

クリミア・チタン工場を短期間で近代化することは不可能であり、同工場の稼動再開後、環境被害が再発するおそれがある。

24日、クリミアの環境学者であるマルハリータ・リトヴィネンコさんがラジオ「真実のクリミア」で発言した。

リトヴィネンコさんは、「大気中には、明らかに化学物質のにおいが混ざっています。これは、人々の健康状態に影響をおよぼします。『クリミア・チタン工場』は、おそらく、今後も地元住民と環境を害していくでしょう。なぜなら、この程度の期間でこの工場を著しく近代化することなど不可能だからです。おそらく、フィルターを清掃し、何かしらの緊急対策をとり、酸貯蔵庫にかけるための石灰混合物を見つけただけでしょう」と述べた。

彼女の発言では、今後この工場は、おそらく「これまでほど激しく害することはないにしても、しかし、市にとっては実際的な危険を生み出し続けるでしょう」とのこと。

リトヴィネンコさんは、「大気の計測や住民の健康状態に関する信頼のできる情報がありません。ドニプロ川からの水が入ってこない以上、『クリミア・チタン工場』稼動の危険は大きいままです。浄水プロジェクトやら酸貯蔵庫に何かしらの別の物質を詰めるだけでは、工場業務の危険を解決することにはなりません」と主張した。

これまでの報道にあるように、クリミア北部のアルミャンシク市において、8月23日の夜から24日かけて、正体不明の物質の流出が発生。その数日後、クリミア北部では、大気中の有害物質の量が許容値を越え、占領政権はアルミャンシク市から児童をクリミア内の療養所へ避難させる決定を下した。

ウクライナ一時的被占領地域・国内避難民(IDP)問題省の情報では、クリミア・チタン工場がクリミアに隣接するヘルソン州にとっての環境上の脅威も生み出しているとのことだった。また、最高会議人権問題全権事務所は、ロシアによる被占領下のクリミア北部アルミャンシク市における有害物質流出に関する情報を、国際連合、欧州安全保障協力機構、世界保健機構、国際赤十字委員会に対して提供していた。