ポロシェンコ候補、ダニリューク元財務相がゼレンシキー陣営に参加していることを「利益相反」と指摘 元財務相は反論

大統領選挙決選投票に進んでいるポロシェンコ候補は、対抗するゼレンシキー候補のチームに、以前プリヴァト銀行の国営化に携わった元財務相のダニリューク氏が補佐役として参加していることにつき、「利益相反」であるとし、チームから離脱するよう呼びかけた。

15日、ポロシェンコ候補が、ダニリューク氏本人も出演するICTV局番組「表現の自由」にて発言した。

ポロシェンコ候補は、「ダニリューク氏は、ロンドン裁判所への訴訟を準備していた際、実質的にウクライナの立場、コロモイシキー氏に対抗して国益を防衛する役割を担っていた。しかし、同氏は、(財務相職)解任後、現在、同裁判でコロモイシキー氏側の弁護をしていたアンドリー・ボフダン弁護士が幹部として働く(ゼレンシキー候補の)選対本部に加わっている。法学上、それは利益相反と言われる行為である。利益相反は、犯罪である。なぜなら、あなた(ダニリューク氏)は国家の立場に関する秘匿情報を有したまま、コロモイシキー氏の利益を代表するボフダン弁護士のいる本部で働き始めたのだから」と発言した。

ポロシェンコ候補は、この点につき、ダニリューク氏に対して、ゼレンシキー候補のチームから離脱するよう呼びかけた。

ポロシェンコ候補は、「ロンドン裁判所に提出された国家の法的立場は、完全に秘匿のものであると明言する。私は、その法的立場を知らないし、知る権利もなく、聞いたことはない。なぜなら(それを聞くことは)違法だからである。しかし、ダニリューク氏はそれを知っており、その上で、コロモイシキー氏に繋がる人々のいるチームで働いているのだ」と強調した。

これに対して、ダニリューク氏は、プリヴァト銀行に関する情報は秘匿ではないと反論した。加えて、同氏は、自身がロンドン裁判所でウクライナの立場を防衛しようとした際にルツェンコ検事総長が妨害を行ったと指摘した。

ダニリューク氏は、「私は本当は本件にコメントしたくないが、仕方なく発言する。ロンドン裁判所に訴訟を出した時の状況を思い出して欲しい。私たちは本件について対話をした。私は、あなた(ポロシェンコ候補)に対して、あなたの個人的立場とルツェンコ氏(検事総長)の立場について心配している、財務相である私がロンドン裁判所で国の立場を防衛するのをルツェンコ氏が妨害していると述べた。その際、あなたは、私に対して、ロンドン裁判に関するすべての情報を、直前にアムステルダムでコロモイシキー氏と面会した人物(編集注:ルツェンコ検事総長)と共有するよう執拗に要請した。私はその時、それは国益を防衛する大統領のあるべき立場ではないと思った。私は、当時の問題について、誰が誰の利益を擁護していたのかにつき、本当に非常に多くの疑問を抱いている」と発言した。

写真:president.gov.ua