選挙関係市民団体、ゼレンシキー候補の無料コンサートに買収の兆候があると指摘

1+1局人気番組「スタジオ95地区」のタレントであり、大統領選挙候補者であるヴォロディーミル・ゼレンシキー氏が、9日、南西部ウジホロド市で無料コンサートを実施した。選挙問題を専門とする市民団体「オポーラ」は、この行為に有権者買収の兆候があると指摘した。

11日、「オポーラ」ザカルパッチャ州支部が発表した。

発表には、「2月9日、ウジホロド市にて、大統領選挙候補者のヴォロディーミル・ゼレンシキー氏の参加を得て、『スタジオ95地区』のコンサートが開催された。コンサートは、事前に予告されていたものであり、チケットはウェブサイトと劇場のチケット売り場で購入できた。チケットの値段は350~1950フリヴニャであった。しかし、オポーラの監視員の確認したところ、当該コンサートの開始3時間前に、招待状のみで入場可能なもう一つのコンサートが行われていたことが判明した。こちらのイベントは、事前の告知がなく、招待状の取得方法も不明である」と書かれている。

この二つのコンサートは、どちらもザカルパッチャ州音楽・演劇劇場にて開催。オポーラがチケット売り場の職員に確認したところ、無料コンサートの方は招待状のみで入場でき、反テロ作戦参加者とその家族、障がいを持つ人々などが入手できたものだとの説明があったとのこと。

オポーラが入手した音声記録によれば、ゼレンシキー候補は、彼らはこのような慈善コンサートを定期的に行っているが、これまで公表したことはないし、宣伝もしてこなかった、いつも日中コンサートは無料で、夜のコンサートを有料にしてきたと述べたとのこと。

その上で、ヤロスラウ・フラン・オポーラ・ザカルパッチャ州監視調整員は、「無料コンサートの運営には、ゼレンシキー氏による選挙運動規則の違反の兆候が見られる」と指摘する。同調整員は、「候補者は、有権者に対して、優先的な条件での物品やサービスを与え、その際に候補者の名前を喚起することが禁止されている。大統領選挙候補者の参加する無料コンサートの実施は、有権者に対するサービス提供と見なすことができ、つまり有権者買収の兆候を含むものである」とコメントした。

また、フラン調整員は、同候補者が自らの仕事を選挙の手段として利用としているとし、これもまた法律にある平等を基本とする選挙原則に反していると指摘した。

なお、オポーラの監視員は、有料コンサートの際には同候補の選挙宣伝は確認されなかったと伝えた。