ウクライナ、EUからの電力輸入を倍増

国営電力貿易会社「ウクライナ・エネルギー会社」は、ロシア軍によるウクライナの電力システムへの攻撃による損失を補うために、欧州連合(EU)からの電力輸入を増加している。

ウクライナ・エネルギー会社の広報室がウクルインフォルムに伝えた。

同社は、3月中旬から1日あたりの電力輸入量が2倍に増えていると説明した。また、同社は、スロバキア、ルーマニアから電力を輸入し続けており、3月にはハンガリーからの電力供給も始まったと伝えた。現在、同社は、ウクライナへの電力輸入業者の中で輸入量で第2位だという。

ウクライナ・エネルギー会社のブテンコ総裁は、「過去2年でウクライナはEUと共に、電力輸入のための技術的・運営的能力を著しく高めてきており、それが現在消費者への安定した電力提供において非常に重要な役割をになっている」と伝えた。さらに同氏は、ロシアによる電力施設への大規模攻撃が続く中、ウクライナ政府は追加の輸入機会を得るために欧州のパートナーとの積極的な協力を続けていると指摘した。

なお、ウクライナ・エネルギー会社は、国が100%の株式を保有する電力貿易会社であり、エネルギー資源の購入、売却、管理のための包括的解決策を提案している。同社は、2022年に国有資産の誘致や譲渡なく設立されている。収益は、高度技術を用いた取引商品・手段によって生み出しているという。

同社は、ウクライナの電力販売量上位5社の内の1つであり、国境を超えたエネルギー取引の上位企業であり、グリーンエネルギーの取引では上位2社の内の1社だという。

これに先立ち、電力事業者「ツェントルエネルホ」社は、11日未明のロシア軍によるミサイル・無人機攻撃により、ウクライナ中部の主要な火力発電所「トリピッリャ火力発電所」が破壊され、同社は全ての発電能力を失ったと発表していた

同時に、トリピッリャ火力発電所破壊後も、首都近郊のキーウ州では全ての自治体に送電が続けられている

他方、東部ハルキウ州では、20万世帯以上で停電が発生した。