ウクライナ東部情勢に進展がなければ、独露ガスパイプラインは利用されないだろう=専門家

アンドレアス・ウムランド・ウクライナ未来研究所上級専門家は、独露間で建設が進められているガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」は、ウクライナ東部情勢で著しい進展でも生じない限り、利用されないだろうとの見方を示した。

ウムランド氏がウクライナ国営ロシア語テレビ局「家」出演時に発言した

ウムランド氏は、「私は今のところ、その『ストリーム』がどうしたら利用できるようになるかわからない。それは完工されるかもしれない。しかし、私は、現在の(欧州と米国の)政治勢力図では、『ストリーム』のあり得る利用開始時期に近づけば近づくほど、そのプロジェクトに対する多くの反対者の動員が大きくなると思うのだ」とコメントした。

同氏はまた、ウクライナ東部をはじめ、ロシアの侵略のレベルが下がった場合にのみ、そのパイプラインの利用開始は可能になるのではないかと述べた。同氏は、「今のところ、ロシア・ウクライナ関係にて著しい改善なくして、そのプロジェクトが終了する可能性は小さいように思う。仮に、例えば、ドンバスにて何らかの著しい進展でもあれば、その際は、私は、その『ストリーム』が動き出すことを想像できるようになる」と発言した。

同氏は、現在の地政学的条件下では、ノルド・ストリーム2の利用開始の反対者は非常に多いと述べ、「今は、欧州議会がそのプロジェクトに反対しているし、米国議会も反対しているし、多くの欧州の国々も反対だ。そのような状況下で、それが利用できるとは私は思わない」との考えを示した。