中銀、ウクライナ経済が1年半の危機から脱出したと評価

ウクライナ中央銀行は、ウクライナ経済が、コロナ危機により始まり約1年半続いた金融危機から脱出したとする評価を発表した。

22日、ドミトロー・ソロフブ中銀副総裁が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ソロフブ氏は、「銀行システムの活動指数を金融安定性の観点から分析すると、経済が16か月間の危機から脱出しているのがわかる。また、金融安定性に関する報告書を見ると、銀行システムにとっての危機は、本質的には、始まらなかったとも見ることができる。ただし、これまでの危機の際の銀行システムの動きの観点からは、不安は多かった。現在、状況は完全に正常である」と発言した。

その上で同氏は、この安定化は2015、2016年に行われ、今も非銀行金融セクターで続いている、痛みを伴う改革が肯定的な結果を与えたことを改めて確認するものだと指摘した。

同氏は、「しかし、それは私たちが気を抜いて良いとか、何もしなくて良いとかいうことではない。金融セクターの規制は、中央銀行の重要課題であり続けている。そのため、今年、私たちは、金融システム安定性を保証するために銀行のストレスチェックを再開している。それが国の経済成長の理想的に保障するであろう」と発言した。

同氏は、中央銀行の分析によれば、経済安定化・経済再生を促進しているのは、ウクライナの商品が国外市場で好調な結果を出していること、また国内でも需要が急速に高まっていることが挙げられると説明された。

なお、ウクライナでは、今年5月時点で、消費者価格の上昇率は前年比9.5%であった。これに関連し、中央銀行は、政策金利を7.5%に維持している。