クレーバ外相、独が議会選挙後に露ガスパイプラインの立場を変更する可能性に言及

クレーバ外相は、独露間で建設が続くガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」につき、ドイツでの議会選挙が終わったら同国は同パイプラインへの立場を変えるかもしれないと指摘した。

クレーバ外相がハンガリーのニュースサイト「CEENERGYNEWS」へのインタビュー時に発言した

外相は、「実際には、ドイツ自体の中でノルド・ストリーム2に反対する声は多くある。そして、ドイツの立場は今後の選挙の後に変わるかもしれない。米国も、制裁を完全にやめてはいないし、それ(編集注:ノルド・ストリーム2事業会社への制裁猶予)をむしろ休憩だと呼んでいる」と指摘した。

その上で外相は、ウクライナ国益と欧州安全保障を維持する闘いは続いていくと強調した。同氏は、「私たちは、ドイツ、米国の私たちのパートナーに対して、現状の脅威を深刻なものと受け止めるよう説得できることを期待している。ウクライナ外交はその作業をしている」と伝えた。

また外相は、ノルド・ストリーム2には市場上の必要性はなく、欧州ガス輸送においてウクライナの役割を低め、ロシアの侵略に対抗するウクライナを弱めるというロシアの明白な政治的な目的があるだけだと主張した。

外相はその他、今後数年間はウクライナのガス輸送システムにとってかなり困難な時期となるだろうと予想し、「現在の(ロシア国営)ガスプロム社との(ガス)輸送合意は、2024年までのウクライナガス輸送システムの能力を維持することを定めている。ロシアは長年、理想的なガス輸送国家としてのウクライナの信頼を失墜させる努力をしてきたが、うまくいかなかった。現在、ロシアは、そのウクライナを迂回しようとしているのだ」と指摘した。