国会エネルギー委員長、ロシア電力の輸入再開の理由を説明

アンドリー・ヘールス最高会議(国会)エネルギー・住居・公共サービス委員長(与党会派「人民奉仕者党」所属議員)は、ウクライナは電力市場の独占を防ぎ、市場の多元化を目的にロシアの電力を輸出していると発言した。

ヘールス委員長がテレグラム・チャンネルにて動画を公開した

委員長は、「個別の民間企業が、石炭を持ち込まないことで、国家に対して脅迫をし、圧力をかけて電力価格を上げようとする、という状況はあってはならない」と発言した。

 同氏は、「(電力)市場の多元化、脱独占を行うことが非常に重要だ。様々な供給源ができれば、ウクライナには強固なエネルギー安全保障が現れる。ウクライナは、電力保障の観点からより理想的になるのだ。(編集注:ロシアからの電力)輸入がエネルギー安全保障に影響を及ぼすという主張が多くあるが、影響はない。なぜなら、その輸出は5%未満だからだ。そのような規模では、エネルギー安全保障に影響を及ぼすことはない」と強調した。

同氏は、ロシアからの電力輸入は、国内消費の3〜4%であるとし、「輸入は、ウクライナにおける電力消費のピークの時間帯に行われる。そのピークの時間帯、状況の均衡が取れるのである。私たちには、安定した状況があり、深刻な管理節電などはない。非常に重要なことは、今月を乗り切ることである。今月、輸入が私たちのシステムの均衡を取ることになる。私たちにとっての第一の優先課題は、各家庭に電気と暖房が届くことである」と発言した。

その上で同氏は、ロシアからの電力輸入が行われるのは、気温の上がる3月初旬までだと発言した。

同氏は、1月末のウクライナの石炭の残量が必要最小保証残量の44%になっていたと伝えた。

これに先立ち、ウクライナは、2月1日からロシアからの電力輸入を再開したことが明らかになっていた。本件につき、送電企業「ウクルエネルホ」社は2日、ロシアからのものを含め、電力の輸出入を制限する法的根拠は存在しないと発表していた。