ウクライナとポーランド、貿易量のコロナ危機前の水準への回復に期待

ウクライナとポーランドは、2020年上半期に減速した貿易・経済協力の回復に期待している。

12日、ゼレンシキー大統領がキーウ(キエフ)を訪問中のドゥダ・ポーランド大統領との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー大統領は、「もちろん、今回の協議の注目の焦点は、貿易経済・投資協力にも当てられていた。客観的理由から2020年上半期は、私たちの二国間貿易のテンポは若干減速した。しかしながら、現在私たちは、肯定的なダイナミズム、過去数年の成長を回復させることができる。ポーランドのウクライナ経済への投資の量、両国の地域間の活発な協力、重要な共同プロジェクトの実行が楽観的予想をもたらしている」と発言した。

大統領はまた、両国政府間経済協力委員会の定期的活動の再開が非常に重要だと発言した。

大統領は、「ドゥダ大統領のウクライナ訪問の際に、複数の非常に重要な文書が署名された」とし、これら文書はウクライナ経済への投資拡大の展望や、交通・輸送潜在力の統合計画に関するものだと伝えた。

またゼレンシキー大統領は、翌13日にドゥダ大統領とともに、オデーサにてウクライナ・ポーランド経済フォーラムに参加すると述べ、そこで両国の政府関係者、ビジネス関係者、地域代表者が、交通、輸送、エネルギー、インフラ分野の協力について協議を行うと伝えた。

大統領は、「私たちは、このフォーラムから具体的かつ現実的で実践的な成果が出ることを期待している」と述べた。

ドゥダ大統領は、コロナ危機はウクライナ・ポーランド間の経済協力に損失を出さずに乗り越えなければならないと指摘した。

ドゥダ大統領は、「この1年、両国の貿易量は若干弱体化したが、それはパンデミックと国境封鎖のせいである。被害を受ける企業を最小化するためにも、これを乗り越えねばならない」と発言した。

大統領は、ウクライナとポーランドの経済協力は「甚大かつ戦略的意味を持つ」と指摘した。

また、ドゥダ大統領は、緊密な経済協力は更に、両国共通のエネルギー安全保障の形成も想定しているとし、とりわけ、キーウにてポーランドの国営エネルギー企業PGNiG社とウクライナの国家資産基金の間で、ポーランド企業のウクライナの民営化プロセス参画に関する協定を署名したことを指摘した。

その他、ドゥダ大統領は、ウクライナとポーランドの間の貿易量は75億ユーロ以上に達しており、ウクライナには1200のポーランド・ウクライナ企業が活動していると述べた。

なお、ドゥダ大統領のウクライナ公式訪問は、10月11日から13日まで続き、キーウの他、オデーサも訪れる予定となっている。

写真:大統領府