スイス裁判所、露にクリミア併合の損害賠償8000万ドル以上をウクライナ企業に支払うことを命令

スイス連邦裁判所は、ロシア連邦が、クリミア併合により発生した損害の賠償金をウクライナの12の企業に支払わねばならないとするジュネーブの仲裁判決を確定した。賠償金総額は8210万米ドルに上る。

9日、スイス・インフォが報じた

報道には、「スイス連邦裁判所は、ジュネーブの仲裁判決を確定した。同判決は、ロシアに対し、2014年春のクリミア併合後に同地の資産を接収された12のウクライナの企業に損害賠償として8000万スイスフラン(8210万米ドル)を支払うことを命じた」と書かれている。

裁判所は、ロシア政府による、2019年4月のジュネーブ国際仲裁裁判所の判決に関する控訴を否定したとのこと。

ロシアは、控訴の際ジュネーブの同裁判所には、本件を扱う管轄権がないと主張していた他、12の企業による本件がロシア・ウクライナ両政府間で1998年に締結された相互投資保護協定の対象となるとの主張を否定していた。

これに対して、スイスの最高裁判所は、ジュネーブ国際仲裁裁判所の本件の判決は疑い得ないと指摘し、同裁判所の本件の管轄権は2018年10月の暫定公聴会の際に既に認められていること、更にはその際に既に1998年の協定に関するロシアの主張も棄却されていることを指摘した。

報道には、この損害賠償請求の提訴は、2015年に12の企業がハーグの常設仲裁裁判所に出されたものであり、その中には、ウクルナフタ社も含まれていると書かれている。この12の企業の一部は、以前ウクライナの大富豪(オリガルヒ)として知られるイーホル・コロモイシキー氏の企業グループと繋がりのある企業。同常設仲裁裁判所がスイスに本件を移管していた。

写真:Keystone