ゼレンシキー大統領、ガス輸送問題とドンバス問題は関連づけるべきでないと発言

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は、ロシアからウクライナ領を通って欧州へ送られる天然ガスの輸送問題とウクライナ東部のドンバス問題は明確に区別しているとしつつ、同時に12月9日の独仏宇露4国のノルマンディ首脳会談にて、ガス問題を提起する可能性を指摘した。

ゼレンシキー大統領がドイツのシュピーゲル誌へのインタビュー時に発言した

大統領は、「私にとって重要なのは、ガス問題が個別にあることだ。双方の願望とは無関係に、その問題はドンバスと一切結び付けられるべきでない。しかし、私は、ガス輸送がノルマンディ・フォーマットで審議される可能性は排除しない」と発言した。

大統領は、独露新ガス・パイプライン「ノルド・ストリーム2」がウクライナ領通過のガス輸送協議における同国の立場を著しく弱体化したことを認めた。そして、大統領は、欧州諸国がノルド・ストリーム2は政治プロジェクトでなく経済プロジェクトであるとの主張には、同意しないと発言した。

その上で、大統領は、「しかしながら、新しい輸送を10年契約で締結できたら、そして欧州諸国が本件でウクライナを助け、ロシアがそれ(10年間の契約期間)に反対しなければ、その時は、それ(ノルド・ストリーム2)が経済プロジェクトだという主張は、意味を持ち始める。現時点では、その主張には根拠がない」と発言した。

なお、ドイツ、フランス、ウクライナ、ロシアの4国によるノルマンディ首脳会談は、12月9日に開催が予定されている。同会談は、ゼレンシキー大統領とロシア連邦のプーチン大統領の最初の会談となる。

ノルマンディ4国首脳会談の開催は、2016年10月19日のベルリン以来。

また、ウクライナ国営ナフトガス社とロシア国営ガスプロム社間のウクライナ領を通じたロシア産ガスの欧州への輸送契約は、2019年12月31日に終了する。ウクライナ側は、次期ガス輸送契約を複数年契約で締結することを主張している。

写真:大統領府