ロンドン控訴裁、プリヴァト銀行と富豪コロモイシキーの裁判にて、銀行側に有利な決定

15日、ロンドンの控訴裁は、英国の裁判所が、プリヴァト銀行によるウクライナの大富豪コロモイシキー等を相手に行っている訴訟を管轄することを認めた。

また、2017年12月に裁判所が下した、銀行の旧所有者に関する全世界資産凍結要請(WFO)も引き続き効力を有し続けることになった。プリヴァト銀行広報室が伝えた

発表には、「今朝、ロンドンにて控訴裁判所が下した決定により、プリヴァト銀行は、あらゆる問題において控訴要求が満たされ、2018年12月にファンコルト判事の判決は完全に無効となった」と書かれている。

発表によれば、控訴裁の判事たちは、「プリヴァト銀行は、19億米ドルの完全な賠償(利子を含めると30億米ドル)のための審議を行うだけの十分な案件を有している」とし、WFOも引き続き効力を有し続けるとの結論に至ったとのこと。

また、控訴裁は、訴訟が裁判官により詐欺・大規模資金洗浄と定められている状況下、プリヴァト銀行の訴訟は英国にて審議されねばならないと決定したと書かれている。

更に控訴裁は、本決定の上告を認めず、11月末までに同訴訟に対する弁護概要を提出することを義務付けている。裁判所は、今後公判の日程を発表するとのこと。

プリヴァト銀行のペトル・クルムハンズル総裁は、今回の決定に大変満足しているとし、プリヴァト銀行は英国での裁判を引き続き進めていく準備があると表明した。

なお、本件は、プリヴァト銀行の監査を行った調査エージェンシー「Kroll」が、2016年末の同銀行国営化の前に、同銀行が大規模かつ事前調整の行われた詐欺行為の対象となり、その結果少なくとも55億ドルの損失をこうむったとの結論を出したことに始まる。プリヴァト銀行は、2017年12月、本件につき、イーホル・コロモイシキー氏と同氏のビジネス・パートナーであるヘンナジー・ボホリュボウ氏、その他関連複数企業を相手とする訴訟をロンドンの高等裁判所に提出。裁判所は、予防措置として、同銀行の旧所有者と関連企業の資産を凍結するWFOを発出。合計25億ドル以上の資産が現在凍結対象となっている。