ウクライナとポーランドはノルド・ストリーム2に反対=ゼレンシキー大統領

ゼレンシキー大統領は、ロシアからバルト海を通じてドイツへと直接天然ガスを送るために建設されている「ノルド・ストリーム2」は、欧州全体にとっての脅威となるとの考えを示した。

31日、ゼレンシキー大統領が、ドゥダ・ポーランド大統領との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ゼレンシキー大統領は、「私たちは、エネルギー安全保障に注意を向けた。そして、私たちはポーランドと一緒にこう述べる。『ノルド・ストリーム2』は、受け入れられないし、欧州全体にとっての脅威をもたらす、軍事的性格を有すものである。私たちはともに、エネルギー供給源の多様化、そして、『ポーランド・米国・ウクライナ』3者のエネルギー協力を支持している」と発言した。

また、ゼレンシキー大統領は、ウクライナはポーランドの地域プロジェクトやイニシアティブ、とりわけ「3つの海イニシアティブ(Three Seas Initiative)」への参加に関心があると強調した。

大統領は、「私たちは現在、欧州横断道路『ヴィア・カルパチア』建設で協力している。その他、野心的な国際水路『E40』プロジェクトについても話し合った」と伝えた。

「ノルド・ストリーム2」建設プロジェクトとは、ロシア海岸からバルト海を通じてドイツまで通じる新しいガスパイプライン建設のことである。同パイプラインは、年間550億立方メートルのガスが輸送できるようになることが想定されており、ライン全長は1200キロメートル以上。

このパイプラインは、ロシアのガスプロム社が、欧州のEngie、Uniper、OMV、Shell、Wintershallといった企業と共同で建設している。建設開始時の予定では、完工は2019年末とされていた。

ウクライナは、ノルド・ストリーム2が完成することで、ロシアから欧州へとガス供給を行う際の「輸送国」としての役割を失うことから、このプロジェクトに反対してきた。その他、米国、ポーランド、バルト諸国も反対している。これらの国々は、欧州がロシアのガスへの依存を高めると警告している。