独露ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」はロシアの期待を満たさないだろう=外務次官

オレーナ・ゼルカーリ外務次官は、ロシアからバルト海経由でドイツへと繋げられる新しい天然ガス・パイプライン「ノルド・ストリーム2」には、欧州連合(EU)の法律が適用されることから、ロシアの期待を満たすものにはならないだろうとの見方を示した。

ゼルカーリ次官が「週の鏡」紙へのインタビューにて発言した

同次官は、「私は、ノルド・ストリーム2を何らかの致命的なものとは思っていない。ノルド・ストリームに既にEU法が適用されていることを考えれば、同パイプラインは、ロシアにとって、期待するような有益なものには決してならない。なお、有益でない案は、しばしば廃案となるものである」と発言した。

記者から「しかし、今のところ廃案にはなっていない」との発言に対して、同次官は、「ノルド・ストリーム2は、ロシアが望んでいたような2020年1月1日から稼動することはないし、2020年7月1日にすら稼動しないであろう」とコメントした。

同次官は、「彼らは、最近になってようやく、デンマークの領海を迂回する代替ルートに関する計画文書の再作成に取り掛かっている。それだけで大きな敗北なのである。さらには、欧州法の存在がある。欧州ガス市場内の市場関係の強化は、ノルド・ストリームは、彼らが建設時に財政面・運営面で想定していたようには、もはや機能しないということを意味している」と強調した。