韓国の浦項港、対露制裁を理由にロシアの船舶への燃料供給を拒否

韓国の浦項港は、アメリカがロシアに対して科している制裁を理由に、ロシアのグッドゾーン社の船舶「パルチザン」への燃料の供給を拒否した。

11日、ロシアのインターファクス通信がグッドゾーン社の戦略的発展担当副総裁の発言を伝えた。

アメリカの制裁対象となっているグッドゾーン社のヴァレリー・ウリスキン副総裁は、「燃料補給企業が、二次制裁を恐れて、供給を拒否している」、「私たちは、(編集注:浦項)港の運営と政権に対して、燃料供給を拒否したことにつき、抗議を表明した」と発言した。

送付された抗議の書簡には、燃料不足により、同社の船舶が危機的な状況に陥っていることが主張されているとのことであり、船舶内の暖房が使えないため、船員はホテルに滞在しているとのこと。

また、同副総裁は、本件の状況を在釜山ロシア連邦総領事館に報告したと伝えた。

これに先立ち、同社の船舶「パルチザン」は、本年2月末に日本海海上で爆発を起こしており、原因の解明が行われている。その後、同船は、浦項港に寄港していた。

なお、2018年秋にも、ロシアのグッドゾーン社に属する船舶「セヴァストーポリ」が、アメリカによる対北朝鮮制裁への違反疑惑により、韓国の釜山で一時的に抑留され、その後解放されていた。また、グッドゾーン社が米国の制裁対象に入れられたことを受け、同社の船舶は韓国の港への入港が禁止されたこともある(その後この禁止は解除)。この船舶「セヴァストーポリ」に対しても、米国による制裁への抵触を恐れ、燃料供給が拒否されていた。