スイス最高裁判所、クリミアの資産奪取案件に関してウクライナ石油企業の立場を認める

スイス最高裁判所は、ウクライナの石油関連企業「ウクルナフタ社」が、ロシアのクリミア半島併合のせいで失われた同社の同半島内資産の保護を目的に、国際仲裁裁判所に対して提出した要請の合法性を認めた。

24日、ウクルナフタ社広報室が発表した。

発表には、「スイス最高裁判所は、『ウクルナフタ社』が国際仲裁裁判所に対して、ロシアがクリミア併合後に違法に奪取したクリミア自治共和国内の自社資産保護を目的に提出した要請の合法性を認める決定を下した」とある。

ウクルナフタ社は、2014年のロシアによるクリミア占領後、同国が武力を用いて、同社資産の16のガソリンスタンドの権利を剥奪したことを喚起した。そして、同社は、1998年のウクライナ・ロシア両政府間の投資促進保護協定を根拠に、国際仲裁裁判所に提訴したことを指摘した。

国際仲裁裁判所は、スイスを仲裁の場と定めていた。しかしながら、ロシアは、国際仲裁裁判所の権限を認めておらず、国際仲裁裁判所による自ら(国際仲裁裁判所)に管轄権があるとの決定に関し、スイス最高裁判所に提訴していた。

今回、スイス最高裁判所は、投資促進保護協定を根拠としたウクルナフタ社による対ロシア訴訟を国際仲裁裁判所が審議することの合法性を認める決定を下した。

発表には、「これにより、仲裁裁判は継続し、近く、本件の最終的決定が下されることが期待される。ウクルナフタ社は、その決定により、資産接収の補償として5000万米ドルをロシアから得る権利が確定することを期待している」と記載されている。

ウクルナフタ社は、スイスの裁判所の決定はが、他のウクライナ企業による対ロシア裁判の決定にも影響を与える可能性があると、期待を示した。

これまで報道されてきたように、ウクルナフタ社の株式の50%+1%は、国営企業「ナフトガス」社に属している。また、残りの約42%の株式は、イーホル・コロモイシキー氏の「プリヴァト」グループの影響下に入っている企業が所有。2003年以降、ウクルナフタ社の運営管理は、「プリヴァト」グループが行っている。