戦争はウクライナが自国国境に到達することで終わらねばならない 別の案はない=シルシキー宇軍総司令官

ウクライナのシルシキー新軍総司令官は、ロシア・ウクライナ戦争はウクライナが自国国境に到達することで終わらねばならず、それ以外の案は検討されていないと発言した。

シルシキー総司令下院が独ZDF局へのインタビュー時に発言した

記者から、戦争が始まった時にそれが長引くと思ったか、と質問されると、シルシキー氏は、「私たちのところで戦争は2014年に始まっているのであり、私たちは(編集注:2022年2月24日以降の局面については)公然たる侵略と呼んでいる。その侵略が始まった時、私は、何らの明確な時間制限のない深淵に向かうような気分がしていた。それが私たちにとって大きな問題であることははっきりしていた。その時、いつ(戦争が)終わるかについては全く分からなかった。しかし、私には、それが長引くこと、それが苦しいことは明白だったのだ」と答えた。

記者からさらに、ウクライナがこの戦争を終結できるという希望はどこから生じるか、と質問されると、同氏は「それは、私たちがこの戦争を自らの国境に達することで終わらせねばならないという点に基づいている。それが1つ目だ。なぜなら、他の案は検討されていないからだ。なぜなら、他の出口は、私たちのところに単純に存在しないからだ。それはつまり、皆、社会全体が共通事項である勝利の周りに集結せねばならないということを意味する」と答えた。

またシルシキー氏は、「皆が懸命に働かなければならない…。直接、ここ、私たちのところ、ウクライナでの生産を確立せねばならない」と補足した。

その際同氏は、「そのプロセスは始められている。生産量を伸ばす必要がある。なぜなら、私たちは何より、パートナー国だけでなく、自国の力に頼らなければならないからだ。あらゆることを考慮しつつ、しかし、自らの力にも頼らなければならない。そして当然、戦術を補完せねばならない。私たちにとって、主要な課題、主要な価値は、私たちの兵、将校、戦闘課題を直接遂行している戦闘部隊の命だ。ロシア首脳陣が行っている『肉の襲撃』のような実践を行うような関係は、私たちは行うわけにはいかない。私は、陣地を放棄し、兵員皆が死ぬことを回避する方を選ぶ。しかし、彼ら(編集注:ロシア)にとっては、兵の命は実質的にゼロに等しい。私たちはそれを目にしている…。概して損耗とは、誰にとっても非常に機微なテーマである。どのような国にとっても、どのような社会にとっても」と発言した。

これに先立ち、2月8日、ゼレンシキー宇大統領は、ザルジュニー氏をウクライナ軍総司令官から解任し、シルシキー氏を新総司令官に任命していた。

写真:ウクライナ陸軍