露宇戦争はますます「数対質」の様相を呈していく=NATO軍事委員長

北大西洋条約機構(NATO)のロブ・バウアー軍事委員長は10日、ロシア軍は現在時代遅れの装備と訓練の不十分の兵士を大量に使用せざるを得なくなっていると指摘した。

バウアー氏がブリュッセルで開かれたNATO同盟国防衛部門幹部会合後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

バウアー氏は、これに対してウクライナは戦力の質に焦点を当てており、兵士が訓練を受け、西側の武器を使っていると指摘した。同氏は、このロシアとウクライナの違いが今後数か月で戦場で見られることになるだろうと発言した。

その他同氏は、「戦争ではいずれの側も同じ問題に突き当たる。人が失われ、兵器が破壊、破損し、弾薬の不足が感じられる。ロシアが犯した戦略的な誤算の1つは、彼らが3日間の戦争の準備をしていたことであり、戦争の目的について遂行者たちに伝えることを『忘れていた』ことであり、兵站を展開できなかったことである。そのため、わずか数日で彼らの戦車軍のための燃料がなくなってしまったのだ」と発言した。

同氏はまた、戦闘が始まってから4〜6日目には、それは兵站競争に変わったとし、それが現在もウクライナ領内で起きていることだと指摘した。そしてそれは、弾薬補給能力、戦車、戦闘車、火砲システムなどの新しい装備の獲得といった他の問題とも密接に繋がっていることであり、また人員補充とその訓練にも関係することだと発言した。

同氏は、「物質の観点から見ると、ロシアは、例えば、私たちが戦場で見かけた1954年製の戦車T-54のような、非常に古い装備、戦力を用い始めている。問題は、とはいえ彼らが非常に多くのT-54を保有していることにある。私たちは、ロシアが数に重点を置かざるを得なくなっているのを目にしている。多くのあまり訓練を受けていない徴集された者、動員された者もそれだ。彼らは時代遅れの機材で活動しているが、その数は多い。他方で、ウクライナは、質に焦点を当てており、西側の武器を用いて、軍人のための然るべき訓練も受けている。それは大きな違いであり、それが今後数か月で顕在化することになる」と発言した。

その他同氏は、ロシアの対ウクライナ全面侵略開始以降、NATO同盟国もある種の兵站の問題を抱えたとし、それは彼らがこのような大規模かつ集中的な戦争への準備をしていなかったからだと認めた。

同氏は、「兵站の確保、兵站環境は、思考における非常に需要な要素だ。私たちは何十年と、集団防衛と関係する、大規模紛争を想定した大規模な兵站を無視してきた。なぜなら、私たちはそのような紛争を予期していなかったからだ。私たちは、より小規模の作戦を計画していた。その兵站要素も重要だが、しかし、今ウクライナで見ているものよりはるかに計画に適したものだった」と発言した。

そして、同氏は、そのような課題の解決は1日ではできず、部隊補給、兵站システムの発展、軍事指揮統制システムの補完を含め、大規模かつ時間をかけた努力、投資を要するものだと強調した。これらは、ビルニュスでのNATO首脳会談の時に検討される、部隊とその支援の構造の現代化に関する最新の作戦コンセプトの基礎となると伝えた。