NATO加盟国がウクライナに自衛目的で戦闘機を提供することは可能=NATO事務総長

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は13日、NATO同盟国はロシアがウクライナに対して始めた戦争に直接介入はしないが、NATOが自衛目的で戦闘機をウクライナに提供することは可能だとの見方を示した。

ストルテンベルグNATO事務総長がブリュッセルで記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が発言した。

ストルテンベルグ氏は、「私たちは2つのことを区別せねばならない。1つは、去年議論されていたことであり、ナトはウクライナの上空に飛行禁止区域を設定し、その確立のためにNATOの航空機を派遣すべきか、というものだ。それは、今議論されているものとはかなり異なる。私たちは今、彼ら(ウクライナ人)が自分たちで航空機を使えるように、加盟国がそれらをウクライナへ送る能力について話している。その2つのことは、とても異なるものである」と強調した。

また同氏は、もしNATOが、ウクライナの領空でのNATOのプレゼンス確保と飛行禁止区域設定のために、加盟国の保有する航空機をウクライナへ派遣していたら、それは紛争へのNATOの直接介入となっていただろうとしつつ、他方で、ウクライナへ様々な軍事能力を送り、それをウクライナ人自身が使用することは、NATOを紛争の当事者にはしていないと指摘した。

同氏はさらに、ウクライナの必要とする武器は戦況に応じて変わってきたと喚起した。同氏は、最初は、主に対戦車武器、その後火砲や防空システムが必要とされたとし、現在それが重火器、歩兵戦闘車、主力戦車と移り変わったと指摘した。そして同氏は、同盟国は常にウクライナにとって供給しなければならない武器はなにかにつき協議していると伝えた。

加えて同氏は、「私たちがメディアでニュースから目にしているように、航空機を巡る議論も続いている。私は、本件がブリュッセルでの会合(編集注:国防相級会合)の際に検討されることを期待している。その際、私は強調したいことがある。その1つは、速度と緊急性だ。もし私たちが航空機について話すのであれば、それは時間を奪い兼ねない。しかし、現在ウクライナには緊急支援が必要なのであり、毎日が意味を持っている」と強調した。

その他同氏は、同盟国間のさらなるウクライナへの武器提供を巡る協議は重要だとしつつ、他方で、新たな武器提供の協議の他にも、同盟国は、すでに供給済みの武器が然るべく機能しているか、確信を得なければならないとも指摘した。また同氏は、すでにウクライナへと供給された防空システムや榴弾砲は、弾薬、サービス用部品、修理の機会、ロジスティック確保を必要としており、日々の供給というロジスティック面の大きな課題となっていると発言した。

そして同氏は、「言うまでもなく、新しいシステムについて協議することは重要だ。しかし、最も重要なことは、すでに同盟国により提供され、ウクライナに送られたシステムの然るべき活動を確保することなのだ」と指摘した。

なお、ブリュッセルでは、14日から2日間の日程でNATO国防相級会合が開催される。