ウクライナ、OSCEに露から返還の艦船の内部の状態を提示

写真

ロシアは、返還したウクライナ海軍艦船3隻を利用不可能な状態で返還した。

27日、イーホル・ロッソウシキー駐国際機関ウクライナ常駐副代表が、ウィーンの欧州安保協力機構(OSCE)の安全保障協力フォーラム会合にて発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ロッソウシキー副代表は、11月20日にロシアから返還されたウクライナの艦船「ニコポリ」、「ベルジャンシク」、「ヤニ・カプ」がミコライウ州オチャキウ港に到着し、その後ウクライナ海軍が技術的状態、装備品等の調査を実施したと伝えた。

調査の結果、艦船の半分以上の兵器がなくなっている(銃、弾薬、通信機等)、一部なくなっている(海上測量計、火砲)、あるいは使用不可能な状況になっていることが判明したという。

加えて、ナビゲーション機器、個人の武器・弾薬、通信機器、監視機器(古いものを除く)、放射線・化学・生物攻撃防護用装備等がなくなっているとのこと。

同副代表は、トイレの設備やボイラー、照明カバー、電球なども外されていたと指摘し、3隻とも「強奪の徴候が見られる」とし、被害はとりわけ「ヤニ・カプ」で目立っており、兵器や軍用品が外されていると強調した。

また、「全ての機器が意図的に破壊されているか取り外されていた」とし、通電システムが外されているため、現在艦船は電気を使うことができずないし、兵器の使用を確認することができないと伝えた。

加えて、「ベルジャンシク」と「ヤニ・カプ」には、多くの破損が見つかったという。

現在、ウクライナ海軍による作業が続いており、大きな損失が出ているとのこと。

なお、同艦船3隻は、2018年11月25日、被占領下クリミア沿岸近く、ケルチ海峡沖にて、ロシア治安機関がウクライナ海軍艦船同3席に対して砲撃し、だ捕したもの。3隻は、オデーサ港からアゾフ海のマリウポリ港へ向かっていた。この際、24名のウクライナ海軍軍人が3隻とともに拘束された。

国際海洋法裁判所(ITLOS)は、本年5月25日、本件に関する裁判にて、ロシアに対してウクライナ海軍軍人24名全員とだ捕した艦船3隻の速やかな解放・返還を命じている。

9月7日、ウクライナ・ロシア間にて、35人対35人のフォーマットで被拘束者交換が行われており、その際24名の海軍軍人もウクライナ側に引き渡された。

18日、ロシア連邦は、2018年11月にケルチ海峡沖でだ捕したウクライナ海軍艦船3隻を同国に返還していた。