国家汚職対策局、オデーサ市長に対する違法蓄財関係の捜査を終了

憲法裁判所による刑法典の違法蓄財条項への違憲判決により、国家汚職対策局(NABU)は、同条項に基づいて行われていた捜査を終了し始めた。その中には、ヘンナジー・トゥルハーノウ・オデーサ市長に対する捜査も含まれている。

6日、NABUがフェイスブック・アカウントで発表した。

NABUの発表には、「憲法裁判所による違法蓄財を実質的に合法化する先の判決を履行するため、NABU捜査官は、自らの道徳的な確信には反するも、刑法典第368-2条にのっとり行ってきた刑事捜査を終了し始めた。終了した捜査の中には、政権幹部、裁判官、オデーサ市長の違法蓄財の事実に関する捜査が含まれる」と書かれている。

NABUはまた、オデーサ市長には、市の財政から1億8500万フリヴニャ横領した容疑もあり、こちらの案件はオデーサ市マリノウシキー地区裁判所で審議が行われていると伝えた。NABUによれば、こちらの案件は、憲法裁判所が違憲と判断した違法蓄財条項ではなく、別の条項(第191条5項)にのっとって行われているものだと説明した。

加えて、NABUは、憲法裁判所の違法蓄財条項違憲判決により、NABU捜査官は65の捜査案件を終了せざるを得なくなっているが、それは違法蓄財に関するものに限る話であり、刑法典の別の条項にもとづく汚職捜査は今後も継続すると説明した。

これまでの報道では、2月26日、憲法裁判所が、違法蓄財の刑事責任を定めた、刑法典第368-2条を違憲と認定したことが伝えられていた。

その際、憲法裁判所は、違法蓄財の条項の違憲判決は、同条項が憲法第62条の推定無罪の規定に反していることによると説明していた。

これに先立ち、2017年12月12日、最高会議(国会)議員59名が憲法裁判所に、刑法典の違法蓄財条項の憲法との合致如何の認定を行うよう要請していた。

違法蓄財が刑事捜査対象に適用されたのは、2015年11月26日から。違法蓄財への刑事責任適用は、欧州連合(EU)がウクライナ国民への査証免除に向けた行動計画の要件の一つであった。