フェイスブック、ウクライナ関連の投稿を行う露軍情報機関と繋がるアカウントを一斉削除
12日、フェイスブック社が自社ブログにて発表した。
発表には、「今日、私たちは、外国・政府干渉に反対する弊社ポリシーへの違反から、78のフェイスブック・アカウント、11のページ、29のグループ、4のインスタグラム・アカウントを削除した。この活動は、起源をロシアに発しており、主にウクライナや近隣諸国に焦点を当てたものであった」と書かれている。
この活動の背後にいた個人たちは、地元住民のふりをして、フェイク・アカウントを利用しており、その一部は過去にフェイスブックの自動摘発システムにより「グループ」や「ページ」の管理、コメント機能の利用を不可能にされた人物であったと説明されている。更に、これらフェイク・アカウントの一部は、自らを市民ジャーナリストとして紹介し、政策決定者や記者、その他の公の人物に対してコンタクトを試みていたという。
発表によれば、削除されたページで拡散されていたコンテンツは、ロシア語、ウクライナ語、英語で書かれたもので、投稿内容は、現地の政治、市民活動家に関するものや、あたかも「保安庁(SBU)からリークされた、クリミアにおける民族の緊張に関係するかのような」情報、ドンバス地方のマレーシア航空機MH17撃墜に関係するものであったと書かれている。
フェイスブックは、「このネットワークの裏側にいた人々は、自らの情報やコーディネーションについて隠蔽しようと試みていたが、私たちは、調査を通じて、ロシアの軍情報機関との繋がりを発見した」と書かれている。
フェイスブックは、この発表で、削除対象となったアカウントのこれまでの投稿事例をスクリーンショットで紹介している。
その他、フェイスブックは、今回削除したのは、ロシア発のネットワークの他、イラン発のネットワークもあり、こちらは主に米国を対象とした内容に集中していたという。その他、ミャンマーとベトナム発のネットワークも発見され、これはミャンマーのユーザーを対象にした投稿を行なっていたとのこと。
なお、2019年にもフェイスブック社は、3つのボット・ネットワークを削除したことを発表していた。そのネットワークは、プーチン露大統領に近く、「プーチンのシェフ」の異名を持つロシアの大富豪(オリガルヒ)エフゲニー・プリゴジン氏の「トロール工場」と繋がるものであり、その活動は、アフリカの国々を対象にしたものだと発表されていた。
写真:DPA