最新の捕虜交換でロシア側で戦った軍人20人の遺体がウクライナに引き渡された=ゼレンシキー大統領
ゼレンシキー大統領は記者団との対話の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「ご存じの通り、現在、私たちは(編集注:遺体と捕虜の)交換を行っている。非常に複雑なプロセスだが、最大限迅速に進めるよう強く要請してきた。例えば、遺体の送還だ。これまでの遺体送還で、私たち(ウクライナ)の戦死者だとして引き渡されたものの内、20人分の遺体が『ロシア人』だったことが確認されている。例えば、彼らの側で戦っていたイスラエル国籍の傭兵のものもあった。イスラエル国籍者で、イスラエルの身分証明書もある」と述べた。


また同氏は、遺体のそばにロシアの身分証明書が見つかったこともあったと伝えた。


その際同氏は、「彼らは自国民の遺体を私たちに押し付けたのだ。それが戦争、そして自国軍人に対する彼らの姿勢だ。このことはすでに記録されている。時には、それらの遺体はロシアの身分証明書と一緒だ。これは、彼らが誰(の遺体)を渡しているのか、自分たちで確認できていないということだ」と語った。
さらに同氏は、「私たちは、全ての兵士を必ず帰還させたいと思っている。英雄たちの遺体も。しかし、単に数合わせで『ロシア人』を受け取りたいとは思っていない」と発言した。
同氏は加えて、ロシア側は意図的にそのような行為を行っているのだろうと指摘した。

さらに同氏は、「彼らは、その死者に対してのその大量アプローチを通じて、ロシア人が多数死亡したという状況を怖そうとしているのだろう。私は、それが彼らにとって重要なことなのだろうと思う。というのも、彼らは大量の死者が出ているという事実を認めることを恐れているからであり、そうすると、もしプーチンが誰かを動員したい思う時が来ても、彼の(ロシアの)社会が怯えてしまうからだ。しかし、(ロシアの)兵士1人に対して、あたかも数百人のウクライナ人が死んだかのように見せられたら、それは大して怖いことではないかのように見えるだろう。つまり、彼らの方がはるかに多くの死者を出しているという現実を打破するためだ」との見方を示した。

その他同氏は、ロシアには米国の支援を止める目的もあると指摘した。その際同氏は、「ロシアにとって重要だったのは、米国をウクライナから引き離し、支援を停止させることだった。新しい支援はないが、それでも(支援は)続いている。もちろん、ロシアはその支援を減らさなければならない。そのために外交上の姿勢を示す必要がある。外交的姿勢とは、ウクライナ側との会談の可能性であり、それはできればアメリカ抜きの会談だ。(個々の)会談をポジティブな形で終わらせるために行われているのが、(編集注:捕虜と遺体の)交換なのだ。そして、そのためには適当な数の交換が必要だ。つまり、例えば、さらに数回の会談が行われれば、彼らは米国に大して、外交プロセスが進んでいることを示すことができ、すると制裁は延期されるだろう。そして、交換が続いている間は、首脳レベルでの会談も延期されるだろう」と述べた。
その他同氏は、ウクライナでは、遺体の身元確認は、内務省、保健省、参謀本部が担当していると伝えた。