
プーチンはバルト地域の地政学的重要性を理解し、常に弱点を探している=独外相
ウクルインフォルム
ドイツのヴァーデフール外相は20日、欧州、特にドイツでは、ロシアの直接的脅威をまだ完全に理解しておらず、その脅威に対する抑止措置が必要だと訴えた。
ヴァーデフール外相がキール安全保障会議の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ヴァーデフール氏は、「ウクライナにおいて戦争が始まってから3年経っても、ドイツの一部の人々は紛争が私たちには及ばないと思っている。しかし、実際にはこうだ。近い将来、私たちは、ロシアと一緒に何かするのではなく、ロシアに対抗して私たちの安全保障を組織しなければならない。明確な境界線を引かなければ、ロシアの侵略はますます近付いてくるだろう」と発言した。
同氏はまた、プーチンがすでに船や航空機、サイバー攻撃、破壊工作、偽情報攻勢で欧州の強靭性を試していると強調し、それは特にバルト地域で顕著だと補足した。
その際同氏は、「バルト海は危険な地政学的ホットスポットであり、軍事衝突の脅威が現実となっており、ロシアの攻撃的なハイブリッド活動が平和と安全を破壊する地域となっている。バルト海は欧州の安全保障にとって重要な地域だ」と指摘した。
さらに同氏は、データケーブルやエネルギーインフラを損傷するために船が錨を海底で引きずったり、ロシアの貨物船が偵察無人機のプラットフォームとして使用されていたり、ロシア軍艦が攻撃的に行動したり、航空機が北大西洋条約機構(NATO)加盟国の領空を以前より頻繁に侵害したりしている例を挙げた。
そして同氏は、これらのハイブリッド活動と軍事挑発は危険だとし、そのロシアの目的は、地域の国々の社会を不安定化させ、その対応能力を試すことだと述べた。
さらに同氏は、「プーチンはバルト海地域の地政学的重要性を理解しており、常に弱点を探している」と強調し、安全保障の強化を求めた。