メルツ独首相、露宇戦争の停戦交渉は数か月かかる可能性を指摘
メルツ首相がリトアニア首都ヴィルニュス訪問時にナウセーダ同国大統領との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
メルツ氏は、「過去数週間、ウクライナ大統領は、現在交渉が進んでいないのはウクライナのせいではないことを世界に何度となく証明してきた。ロシアを交渉に関与させるために、私たちは最近、新しい欧州の制裁を承認したし、必要となれば、私たちはさらに多くのことを行う準備がある。ロシアへのより多くの圧力と、ウクライナへのより多くの支援、軍事支援を含めてだ」と発言した。
また同氏は、パートナーたちは同時に、停戦を達成するチャンスがあり、それから和平交渉に移行することを期待しており、そのため外交的解決策達成の試みを断念していないとしつつ、他方で、短期間で結果を達成することができないことも認識していると発言した。
その際同氏は、「私たちに幻想はない。迅速な解決策はない。しかしながら、過去2週間、私たちは、何よりもまず停戦、という解決策の模索のために集中的な外交的努力を尽くしてきた。(中略)プロセスは始まったばかりであり、数週間続くかもしれないし、もしかしたら数か月続くかもしれない」と指摘した。
同氏は加えて、欧州連合(EU)の同僚たちの間には、前進し続けることは米国にとっても利益であるとの強固な確信があると発言した。
その際同氏は、「少なくとも米政府と米議会の大半がそのように見ていると、私は感じている。したがって、私たちの議論はこの方向で続いていく。(中略)私たちは堅固にウクライナの側に立っている。(中略)欧州の人々と一緒に、そして、可能な時には、米国と1つのチームとして取り組んでいる」と指摘した。
同氏はその他、4つの重要なことを挙げた。1つ目は、ロシアに同盟国間にくさびを打たせないこと。2つ目は、明確な目標として、ウクライナには停戦が必要で、それへの道のりは、交渉を通じて開かれなければいけないということ。3つ目は、ロシアへの圧力は継続されていくということ。4つ目は、現在の姿のロシアは皆にとって脅威をもたらすということを覚えておくことだと指摘した。
同氏はまた、現時点での優先課題は「(編集注:NATOの)東翼の強化、ウクライナの軍事力の強化、ウクライナでの停戦達成の1つ1つの可能性の考慮、その後でロシアとの和平交渉の実施」だと発言した。
写真:メルツ独首相(X)