「中国は公正な和平合意を支持している」=王毅中国外交部長、ドイツとポーランドの外相と協議
中国外務省広報室が王外交部長とヴァーデフール独外相及びシコルスキ・ポーランド外相それぞれとの電話会談につき公表した。
発表には、電話会談の際、双方は「ウクライナ危機」(編集注:ロシアの対ウクライナ戦争の中国による呼称)に関して意見交換を行ったと書かれている。
王氏は、「中国は一貫して和平のための対話を促進することに尽力しており、和平に向けた努力を決して諦めていない。その一環として、『グローバル・サウス諸国との和平の友人グループ』の設立などを行ってきた。と伝えた。
また同氏は、ウクライナとロシアが最近直接交渉を再開したことに言及し、立場の違いはあるが、和平に向けた最初の一歩を行ったとの見方を示した。
そして同氏は、「中国は、全ての当事者が、この『危機』の政治的解決への準備を今後も示し、継続的な対話を通じて、公正で永続的かつ拘束力のある平和に最終的に到達することを期待している」と伝えた。
これに対して、発表によれば、ヴァーデフール独外相とシコルスキ・ポーランド外相は、停戦促進と「ウクライナ危機」のできるだけ早い終了のために中国が影響力を行使し、また欧州における強固な平和の確立支援において積極的な役割を担い続けることへの期待を表明したという。
なお、中国は、「公正かつ永続的な合意」をどのように理解しているかにつき詳細には明らかにしていないが、その内容は犠牲国ウクライナやそのパートナー国がその言葉に込めている意味とは一致していない。ウクライナやパートナー国にとっては、「公正かつ永続的な」という単語は、領土一体性の回復や戦争犯罪者の処罰、ロシアからの賠償の受け取りや安全の保証などを意味している。
昨年5月に中国がブラジルと主導した戦争終結のビジョンに関する文書、いわゆる「6項目のコンセンサス」には、中国が2023年12月に発表した12項目の和平に関する立場と異なり、ウクライナの領土一体性に関する尊重の項目がなかった。