ウクライナ、諸外国に5月9日のモスクワの軍事パレードに参加しないよう要請 「戦争犯罪者が行進する」
外務省が声明を発出した。
声明には、「外国軍人がその催しに参加することは受け入れられないし、ウクライナはそれをナチズムに対する勝利の記憶、80年前に前線に立ち、ナチズムから私たちの国と欧州全体を解放した何百万人のウクライナ人の記憶に関する冒涜だとみなす」と警告されている。
外務省はまた、ウクライナは第二次世界大戦の記憶を維持するとし、同戦争の前線はウクライナの大地を2回に渡って横断したとし、ウクライナ人の人的損失は合計で800万人に上り、その内500万人が民間人、300万人が軍人だと喚起した。
さらに声明には、「600万人以上のウクライナ人が赤軍の中で戦い、数十万人が抵抗運動や反ヒトラー連合の同盟国の軍の中で戦った。現在、かつてナチズムに勝利し、欧州における平和と自由のための恐ろしい代償を払ったウクライナ人に対して、残忍でいわれなき侵略戦争が遂行されている。(中略)ロシア軍はウクライナにて、第二次世界大戦以来欧州が目にしてこなかった規模の残虐行為を実行し続けている。そして、その軍隊が、5月9日にモスクワの赤の広場で行進を行うのだ」と強調されている。
その上で外務省は、行進に参加する人々は欧州の解放者ではなく、占領者であり、戦争犯罪者であると指摘した。
そして同省は、「彼らと肩を並べて行進することは、ナチズムへの勝利を称えることではなく、殺されたウクライナの子どもたちや民間人、軍人の血に対する責任を共有することを意味する」と強調した。
同省はさらに、ロシアが外国軍軍人を5月9日のパレードに招待する目的は、自らの戦争犯罪を白紙にし、侵略を正当化するためだと訴えた。
その上で同省は、「私たちは、全ての外国に対して、5月9日のモスクワでのパレードに自国の軍人を参加させないよう要請する。特に、ロシアの対ウクライナ侵略に対して中立の立場を宣言している、あるいは国際関係において一貫して中立を掲げている国々に関係することだ。そうした国の軍人が合同パレードに参加することは、表明された中立性に反し、侵略国への支持と見なされることになる」と伝えた。