ゼレンシキー宇大統領、2018年に米国が発出した「クリミア宣言」を喚起
ゼレンシキー大統領がXアカウントにコメントを書き込んだ。
ゼレンシキー氏は、「今日は多くの感情があった。しかし、5か国が平和を近付けるために会ったことは良い。ウクライナ、米国、英国、フランス、ドイツだ。それぞれが自らの見方を表明し、敬意を持ってそれぞれの立場を受け止めた。大切なことは、それぞれが単に出席しただけではなく、有意義に貢献したことだ。米国側は、自らのビジョンを共有した。ウクライナと他の欧州の人々は、自分たちが作業したものを提示した。そして、私たちは、そのような共同作業が永続的な平和に導くことを期待している。私たちはパートナーたちに感謝している。ウクライナは常に憲法に沿って行動しているし、私たちは、私たちのパートナーたち、とりわけ米国が、自らの強力な決定に従って行動していくと完全に確信している」と書き込んだ。
その際ゼレンシキー氏は、米国務省公式ウェブサイトに公開されている、2018年7月25日に発出された「クリミア宣言」の全文のスクリーンショットも掲載した。

これに先立ち、米国のトランプ大統領は23日、ゼレンシキー大統領が前日にウクライナは法的にクリミアの占領を認めないと発言したことを「和平交渉にとって有害だ」と発言していた。
「クリミア宣言」(Crimea Declaration)とは、ポンペオ当時米国務長官がプレスリリースの形をとって発表した文書であり、同宣言には、ロシアによるクリミア半島併合の試み不承認が確認され、国際法に反し、力で奪取された領土への要求を承認しないという長期的政策が表明されている。
なお、「クリミア宣言」は、米国務省が、トランプ米大統領(当時一期目)とプーチン露大統領がヘルシンキで会談してから10日後となる、2018年7月25日に発表していた。トランプ大統領は当時、同会談前に、将来的にクリミア併合の試み不承認の政策を見直す可能性につき言及していた。
2020年1月31日、キーウを訪問したポンペオ当時米国務長官は、米国がロシアによるクリミア違法併合を決して認めることはないと明言していた。