「ロシア軍の撤退がなければ公正な平和は実現しない」 G7首脳、ウクライナに関する共同声明を採択

「ロシア軍の撤退がなければ公正な平和は実現しない」 G7首脳、ウクライナに関する共同声明を採択

ウクルインフォルム
広島にて首脳会議を開催しているG7の首脳は19日、ウクライナに関する首脳声明を採択し、ロシア軍の「完全かつ無条件の撤退なくして公正な平和は実現されない」と主張した。

日本外務省が声明を公開した

声明前文には、「本日、広島における我々の会合で、我々G7首脳は、ロシアのウクライナに対する違法で、不当で、いわれのない侵略戦争に対して一つに結束するという我々のコミットメントを再確認した。我々は、ロシアによる明白な国連憲章違反及びロシアの戦争が世界へ与える影響を最も強い言葉で非難する。15か月に及ぶロシアの侵略は、何千もの命を奪い、ウクライナの人々に甚大な苦難を与え、世界の最も脆弱な人々の多くのための食料とエネルギーへのアクセスを危険にさらした」と書かれている。

また、G7首脳は、ウクライナの人々の損失と苦難に同情と哀悼を表明し、またウクライナの人々の抵抗に敬意を表明した。

さらに、G7首脳は、「我々のウクライナへの支援は揺らがない。我々は、ロシアの違法行為が世界に与える影響を軽減するという我々のコミットメントに、疲弊を覚えることはない」と強調した。

G7首脳は、主権国家であるウクライナに対するロシアの違法な侵略を確実に失敗させ、国際法の尊重に根ざした公正な平和を追求するウクライナ国民を支援するため、新たな措置を講じていると指摘した。また、「我々は、必要とされる限り、ウクライナが求める、財政的、人道的、軍事的及び外交的支援を提供する」と改めて強調した。

また声明には、対露制裁について「我々は、ロシア及びロシアによる戦争遂行を支援する者に対するコストを増加させるための更なる制裁及び措置を課している」とし、さらに「我々はまた、ロシアが我々や世界に対してエネルギーの入手可能性を武器にすることがもはやできないようにする取組において、成功を重ねている」と説明されている。

ロシア発のエネルギー依存問題に関しては、G7首脳は、「2022年2月以降、我々は、制裁、輸入禁止及びその他の措置を実施し、ロシアのエネルギー資源への我々の依存度を低下させてきた。加えて、我々は、エルマウにおいて、ロシアの石油及び石油製品の上限価格措置の導入に合意した。この措置は機能している。ロシアの収入は減少している。世界の石油及びガス価格は顕著に下落し、世界各国に恩恵が及んでいる」と強調した。

声明では、前文に続いて、「ウクライナの包括的、公正かつ永続的な平和に向けて」と題する「平和」に関するG7の立場が表明されている。G7首脳は、ロシアに対して、「進行中の侵略を止め、国際的に認められたウクライナの領域全体から即時、完全かつ無条件に部隊及び軍事装備を撤退させるよう強く求める。ロシアがこの戦争を始め、この戦争を終わらせることができる。ロシアによるウクライナ侵略は、国際法、特に国連憲章の違反を構成する」と強調した。

首脳たちはまた、「力によってウクライナの領域を獲得しようとするロシアの違法な試みに対する我々の断固とした拒絶」を改めて表明した上で、「ロシアの部隊及び軍事装備の完全かつ無条件の撤退なくして公正な平和は実現されない」と強調した。さらに、今次戦争に関する「和平を求めるあらゆる呼びかけ」は、ロシア軍の完全撤退を含むべきだと訴えた。

核を巡るロシアの行動につき、G7首脳は、「ロシアの無責任な核のレトリック、軍備管理体制の毀損及びベラルーシに核兵器を配備するという表明された意図は危険であり、受け入れられない。我々は、ロシアを含む全てのG20首脳によるバリにおける声明を想起する。この関連で、我々は、ロシアのウクライナ侵略の文脈における、ロシアによる核兵器の使用の威嚇、ましてやロシアによる核兵器のいかなる使用も許されないとの我々の立場を改めて表明する」と伝えた。

その際、G7首脳は、国連総会にて2月に採択された決議「ウクライナにおける包括的、公正かつ永続的な平和の基礎となる国連憲章の諸原則」を喚起した上で、G7は「ウクライナの包括的、公正かつ永続的な平和を実現するための具体的な取組を引き続き追求していく」と強調した。

また、ゼレンシキー大統領が提案している「平和の公式(平和フォーミュラ)」については、G7首脳は、「国連憲章に沿った基本原則を平和フォーミュラにおいて掲げるという」大統領の真摯な努力を支持した。

首脳たちは、戦後和平については、「ウクライナが自らを守り、自由で民主的な未来を確保し、将来のロシアの侵略を抑止することを支援するための持続的な安全保障や他のコミットメントに関する取決めに引き続き達する用意がある」と表明し、「ウクライナが自らの国民のために前向きな未来を構築することを支援する」と伝えた。

この他、声明では、「原子力安全・核セキュリティ」「ロシアの侵略戦争を止めるための支援」「復旧・復興支援」「ウクライナの汚職対策・司法制度改革」「対露制裁」「損害賠償」「犯罪の責任追及(アカウンタビリティ)」「脆弱な国への支援」について、G7の立場が表明されている。

結語では、G7首脳は、「我々は、『平和の象徴』である広島から、G7メンバーが我々の全ての政策手段を動員し、可能な限り早くウクライナに包括的、公正かつ永続的な平和をもたらすために、ウクライナと共にあらゆる努力を行うことをここに誓う」と表明している。

なお、5月19日から21日にかけて広島にて、G7首脳会議が開催されている。


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