元米特別代表、ウクライナ東部からの露軍撤退に向けた「移行メカニズム」案を説明

元米特別代表、ウクライナ東部からの露軍撤退に向けた「移行メカニズム」案を説明

ウクルインフォルム
カート・ヴォルカー元米国務省ウクライナ問題特別代表(2017〜2019)は、ウクライナ東部の被占領地からのロシア軍撤退のためには「移行メカニズム」について合意をする必要があると指摘した。同氏は、その際にはウクライナも複数の点で妥協をしなければならないと考えている。

ヴォルカー氏がウクライナ国営ロシア語テレビ局「家」へのインタビュー時に発言した

ヴォルカー氏は、「私は、彼ら(編集注:ロシア)は本当に被占領下ドンバスにウクライナ軍人を入れたくないのだと思っている。彼らは、移行期間を欲している。彼らは、ロシアが単に撤退して、ウクライナが単に入ってくるという状況を望んでいない。そのため、彼らは何らかの移行期間を要求しているのだ」と発言した。

同氏は、東部の被占領地がウクライナ法のコントロール下に完全に戻るまでの一定期間の治安管理のために、複数の移行メカニズム案が検討されていたことを指摘した。

第1の案は、国際平和維持軍の展開だという。

ヴォルカー氏は、「それ(国際平和維持軍展開)は不可欠だ。なぜなら、ロシアにとってもう一つの重要なことは、そこで何らかの政治プロセスが生じていることを示すことだからだ。彼ら(ロシア)は、地方選挙をしたいと言っている。恩赦を望むとも述べている。彼らは、特別地位を要求しており、それら全てがミンスク諸合意に書いてあると言っている。しかし、それらのこと、地方選挙ですらも、占領下では行い得ないのだ! そのため、何らかの移行メカニズムが必要となる。それが、つまり、平和維持軍となる」と説明した。

第2の案は、軍事力ではないもの、例えば、欧州安全保障協力機構(OSCE)の管理下にある警察力だという。

さらに、同氏は、ロシアはウクライナに、現在ロシアが支配しているウクライナ・ロシア間国境の一部の管理をすぐにウクライナに明け渡すことを拒否していると指摘し、本件の解決にも、移行期間中の国際プレゼンスが必要だとの考えを示した。

同氏は、「ロシアは、ウクライナ・ロシア間国際国境を現在コントロールしており、彼らは、それを最後まで明け渡したがっていない。そして、その点でもまた、国際プレゼンスの展開が必要となり得る。つまり、(編集注:何らかの国際的要素を)国境地点に展開し、ロシアがミンスク諸合意実現の一環で最終的にウクライナ側に国境コントロールを戻すことに同意するまでの期間、国境を監視・コントロールさせるわけだ」と説明した。

そして、ヴォルカー氏は、これらのロシア連邦の要求を「非常に厳しい条件」と形容した。

同氏は、「正直に言って、これらはウクライナにとって全くもって不正義なものである。なぜなら、その地は全てウクライナ領であり、そこはウクライナだからだ…。しかし、最終的に領土回復、ロシア軍撤退、違法武装集団の武装解除に合意するためには、私は、これらの移行メカニズムはいずれのものも利用しなければならないと思っている」と発言した。


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