メルケル独首相、米独のノルド・ストリーム2合意を「ウクライナにとって良い合意」と発言

メルケル独首相、米独のノルド・ストリーム2合意を「ウクライナにとって良い合意」と発言

ウクルインフォルム
アンゲラ・メルケル独首相は22日、2024年以降もウクライナ領を通じたガス輸送合意は延長されるとの確信を示し、また米独間で締結されたノルド・ストリーム2関連の合意はウクライナにとって良いものだとの見方を示した。

メルケル独首相が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

メルケル氏は、米独合意につき「私は、現時点でそれ(合意)ができたことにつき満足している」と発言した。また同氏は、同合意には、ウクライナが輸送合意を延長できるようにすること、エネルギー保存分野でウクライナの支援をすること、ガスの逆流供給を通じてウクライナを欧州ガスシステムに組み込むこと、といったいくつかの課題があると指摘した。

さらにメルケル氏は、2024年にウクライナ領を通じたガス輸送の契約延長は可能だとの確信を示した。同氏は、2019年の合意に向けた協議プロセスは非常に困難であったが、結局のところは締結に至ったと指摘し、「私は、次回も同様に締結できると思っている」と発言した。

記者から、ロシアが輸送合意の延長を拒否した場合、それが制裁発動の十分条件となるかと質問すると、メルケル氏は、仮定の質問には答えないと発言した。

同時に同氏は、ロシアをドイツにとってウクライナやポーランドよりも重要なパートナーだと思っているかとの質問に関しては、明確に否定した。同氏は、「全くそのようなことはない。そういう話ではなく、複数の国による複数の政治評価が存在するプロジェクトに関して妥協的手段を見つけるという話なのだ」と強調し、さらに同合意には、ウクライナへの支援と正しい焦点が記載されていることを指摘した。同氏は、「私の見方では、その点で、その共同宣言はウクライナにとっても良いものだ」と発言した。

同氏は、米国政府との合意は見解の対立全てを克服するものではないと指摘し、「それは双方からの妥協の準備を必要とする良い一歩である。他方で、それは全ての対立を解消することにはならなかった。対立は残っており、私たちは、それを昨日現実で目の当たりにした」と発言した。

同氏はまた、影響力行使の手段について、第3EUエネルギーパッケージなどの様々な手段があるとしつつ、「私たちには、もちろん、私が行使を望まないながらも、クリミアやドネツィクやルハンシクに関連して常に発動することのできる可能性がある。それは制裁である」と述べ、また「ロシア側はガスを武器として利用しないと約束した」と補足した。同氏は、それは信頼せざるを得ない約束であるとしつつ、「しかし、それは私たちが全くもって守られていないということは意味しない」とも発言した。

さらにメルケル氏は、米議会が今回の合意に否定的な反応を示していることについて、合意の文言は米政府との間で調整したものであり、米議会は独立した機関であるとし、「私のその他の国々との合意もまた、全てのドイツ議会議員が良いものだと自動的に言えるものとなるわけではない」と指摘した。

これに先立ち、21日、米国とドイツが、ノルド・ストリーム2に関し、同パイプラインの完工を認める代わりに欧州の安全を保証するなどの内容を定めた両国の間の合意を発表していた。

同合意につき、ウクライナとポーランドは、独露間ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」はウクライナや中欧全体に対する政治、軍事、エネルギー面の脅威を生み出すものであり、21日に発表された米国とドイツによるロシアのガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に関する合意はそれを止める試みを拒否するものだとして批判している。


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