ロシアがノルド・ストリーム2をウクライナに敵対する形で利用したら、ドイツは単独で制裁を発動=ブルームバーグ
21日、米ブルームバーグが、同社が入手したノルド・ストリーム2関連の合意案文書を引用して報じた。
同社が入手した案によれば、もしロシアがガスを武器として利用しようとしたり、ウクライナに対して攻撃を使用としたりした場合は、ドイツは、単独、あるいは欧州のパートナー国を誘う形で、ロシアのエネルギー輸出を制限する制裁を含む方策を発動することになる。
同社記者は、アンゲラ・メルケル独首相は、以前はロシアとドイツを結ぶ、いわゆる「商業プロジェクトである」ノルド・ストリーム2に関して、ドイツがロシアに対して単独の行動を取ることは否定していたことを喚起しつつ、そのため、今回の決定はメルケル首相による一定の妥協を示すものかもしれないと指摘している。
ブルームバーグは、米独の合意案はまた、ウクライナがクリーンエネルギーへと移行することを促進する「グリーン機構基金(Green Climate Fund)」と呼ばれる基金への10億ドル投資の誘致を促進することを義務付けているとも伝えている。またその際、ドイツは、同基金に暫定的に1億7500万ドルを納金することが義務付けられるという。
さらにドイツは、ウクライナとの二者間エネルギープロジェクトをサポートするために、7000万ドル拠出とともに特使の任命を行うという。
また、同合意には、2024年にウクライナとロシアの現在のガス輸送合意が失効する際に、同合意の10年延長に向け、ドイツが影響力を行使することも書かれているという。
ブルームバーグは、ロシア政権からコメントは今のところ得られていないと伝えた。
これに先立ち、20日、米国務省は、独露間で建設の続くガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」がロシアの新しい影響力行使の手段となってはいけないと発表していた。
なお、現在キーウ(キエフ)を米国務省からデレク・ショレ補佐官が訪問しており、ウクライナ側首脳陣とノルド・ストリーム2問題などの議論を行なっている。