被占領下クリミアにおける先住民人権侵害状況決議、欧州評議会で採択

被占領下クリミアにおける先住民人権侵害状況決議、欧州評議会で採択

ウクルインフォルム
23日、ストラスブールの欧州評議会議員総会(PACE)にて、ロシアの占領するウクライナ領クリミアにおける先住民クリミア・タタール人の人権侵害に関する決議が採択された。決議は、クリミアの占領国ロシアに対して、クリミア・タタール民族代表者の権利遵守を保障し、国際法規範を履行し、ウクライナの領土一体性の回復を要求する内容となっている。

決議「クリミア・タタール人に関する状況」が賛成73、反対17、保留2で採択された。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

決議の提案者は、アイスランド海賊党議員のトルヒルドゥ・シュナ・アイヴァシュドッティシュ(Þórhildur Sunna Ævarsdóttir)議員。

決議には、「議員総会は、ロシア連邦によるウクライナ領の一部であるクリミア自治共和国とセヴァストーポリ市への長引く占領を強く非難し、その併合不承認を強く確認する」と書かれている。

PACEは、ロシア連邦に対して、国連総会決議はじめ、その他の占領終了・ウクライナの領土一体性回復に関する国際法上の決定を履行するよう要求している。

さらに決議では、ロシア占領政権がクリミア・タタール人に対して、殺人、強制失踪、拷問、非人間的扱いを含む弾圧を行なっており、彼らの尊厳を踏みにじっていると指摘している。またこれらはロシアの治安機関が不法・不当な法的手続きを行使することで実行しているものだと説明されている。

また、クリミアでは記者活動に対する迫害、表現の自由や集会の自由の制限、クリミア・タタール人の利益を支持・保護する人権保護活動家に対する圧力が続いていると指摘されており、これらによりクリミアには、恐怖と敵意の雰囲気が作り出されていると説明された。

議員たちは、これらの人権侵害行為は、ロシアがテロリストや歌劇主義者との闘いに関する国内法を利用することで生じているが、それもまた国際法違反であると説明し、深い失望を表明した。

また決議では、ロシアによる人権侵害は、欧州人権裁判所をはじめとする、国際人権保護メカニズムに反するものだと指摘されている。

PACEはまた、ロシアに対して、国際法違反である、ロシア国内法の占領地での悪用することで拘束した人々全員を速やかに解放するよう要請している。

加えて議員たちは、ロシアに対して、一時的被占領下ウクライナ領クリミアにおける人権状況のモニターのために、国際・地域人権保護団体の代表者をクリミアにアクセスさせるよう呼びかけた。

さらに議員たちは、ロシアに対して、クリミア・タタール人を含むクリミア住民をロシア軍に強制徴兵することを停止するよう要請した。

また決議にて議員たちは、クリミア・タタール人指導者であるムスタファ・ジェミレフ氏とレファト・チュバロフ氏に対するクリミア入域禁止措置を解除するよう要求している他、民族代議機関「メジュリス」の活動禁止に関するロシア連邦最高会議の違法判決に関する失望を表明し、同判決はクリミア・タタール人の権利に対する体系的侵害を証明するものであると指摘した。

決議にはまた、占領政権がクリミア・タタール語の発展を妨害していると指摘されており、同言語の学習機会を保障するよう呼びかけられている。

今回の決議の採択に関して、ウクライナのエミネ・ジェパル(ジャパロヴァ)外務第一次官は、フェイスブック・アカウントにて、「(同決議採択は)被占領下クリミアにてロシア占領政権の政治的・宗教的動機にもとづいた迫害にて苦しみ続ける人々への支持を示す重要な一歩だ」とコメントした

また同氏は、ロシアはクリミアに関して印象操作や偽情報発信を続けているが、クリミア・タタール人に対する殺人、強制失踪、拷問、不当な裁判、差別、代議機関や民族アイデンティティの破壊の事実を隠すことができなかったのだと指摘した。


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