ウクライナは対中関係で複数の要因を考慮すべき=専門家

ウクライナは対中関係で複数の要因を考慮すべき=専門家

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民主イニシアティブ基金のオレクシー・ハラン分析局長は、ウクライナは、中国との関係において、中国がロシアの侵略を公に非難していないことなど、複数の要因を考慮すべきだと主張している。

ハラン氏が国営ロシア語テレビ局「家」出演時に発言した。

ハラン氏は、世論調査の結果から、世界では、中国が現在超大国になりつつあることが疑われていないと述べつつ、しかし、同時に中国の政策が世界を不安定化させていると思われていることも示していると指摘した。

同氏は、「つまり、中国は恐れられているのだ。そして、私は、その恐怖は十分に根拠のあるものだと思う」と発言した。

ハラン氏は、ウクライナのエンジン製造企業「モトール・シーチ」社をめぐる現状を挙げ、ウクライナ政府が同社の技術を中国に渡さないとする原則的決定を採択したことを喚起した。同氏は、「それは、中国が恐れられていることと関係している。中国のことは、日本も恐れているし、米国も恐れている。これらの国は、拡張を行なっている体制の手に技術が現れることを恐れているのだ。私たちは、南シナ海と東シナ海の島々にてその拡張を目にしている。事実、中国はそこで、ロシアの政策を多く喚起させるような政策を行なっているのだ」と発言した。

同氏は続けて、1998年、ウクライナが中国に未完成の空母「ヴャリャーグ」を売却したことを喚起し、購入の際中国がその未完成の空母は娯楽センターとなると述べていたことを伝えた。その上で同氏は、「その後、その未完成の空母はどうなっただろうか? 中国は、義務を破り、ヴャリャーグを(空母として)完成させてしまい、それは現在、中国の二つある空母の一つとなっている。それは、私たちが中国と経済関係を発展させてはいけない、ということは意味しない。経済関係発展は大切だ。しかし、私たちは、今ある制限のことも理解しなければいけない」と発言した。

同氏はまた、ウクライナはロシアによる武力紛争とウクライナ領占領のことも考慮すべきだとし、また中国がロシアによるクリミア「併合」を認めていないことを指摘した。同氏は、2014年以降、中国のクリミアにおける投資・プロジェクトは全て停止されたと述べ、「なぜだろうか? それは、中国にも領土問題があるからだ。台湾、チベット、香港。そのため、中国は、ロシアのクリミア占領(編集注:発言ママ)を原則的に認めていないのだ。しかし、同時に、国際社会では、中国は、ロシアの政策を直接には非難していない。それが中国の卑怯な政策である。ロシアの立場は現在弱まっており、中国はそれにより、ロシアから相当安くなった原材料を得られるようになっている。彼らは、その状況を利用しているのだ」と指摘した。

これに先立ち、3月11日、ウクライナNSDCは、ウクライナの航空機用エンジン製造企業「モトール・シーチ」社問題を審議し、近々同社を「国に戻す」決定を採択している。

また、1月28日、ウクライナは、航空機用エンジン製造企業「モトール・シーチ」社への投資に関わる中国国籍の実業家王靖(Wang Jing)氏と、中国に位置する3企業、英領ヴァージン諸島に位置する1企業に制裁を発動している。

2019年11月末、アイヴァラス・アブロマヴィチュス国営防衛企業(複合体)ウクルオボロンプロム社(当時)総裁は、中国スカイライゾン社がすでにモトール・シーチ社の株式を50%以上獲得していると発言。また、2019年12月13日、ヴヤチェスラウ・ボフスラウ・モトール・シーチ社名誉総裁は、記者団に対して、同社の株式を中国に売却したことを認めていた。

しかし、モトール・シーチ社の売却に関しては、米国政権が反対を表明。2019年8月、ジョン・ボルトン米大統領補佐官(当時)は、キーウ(キエフ)訪問時、「私たちは、一般的に、中国側が、とりわけ米国で行っている、不正義かつ不公正な慣習についての警告と懸念を(ウクライナ政権側に)伝えた」と述べている。ボルトン氏は、その際、懸念の理由として、軍事技術の窃取を指摘している。

2020年9月4日、中国のモトール・シーチの株主たちは、ウクライナ司法省に対して、クレームを提出している。同文書では、35億ドル規模の損失について、ウクライナを国際調停裁判所にて提訴する意向が示されていた。

2021年1月15日、米商務省は、中国のスカイライゾン社に対して制裁を発動。ウィルバー・ロス商務長官は、その際、スカイライゾン社は中国側が主張するような民間企業ではなく、国営企業であり、中国側の「外国の軍事技術獲得・合法化の試みは、米国の国家安全保障と外政利益に重大な脅威を生み出している」と指摘していた。

1月31日、ザポリッジャ市にて予定されていた、航空用エンジン製造企業モトール・シーチ社の中国投資家やウクライナの実業家による「臨時株主総会」は、ウクライナの保安庁(SBU)捜査官が捜査を実施したことにより開催が阻止されている。


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