再統合省、クリミア・タタール語普及コンセプト案を作成
被占領地再統合省広報室が発表した。
発表には、「コンセプト案は、国家機関、国家科学アカデミー専門家、教育関係は、クリミア・タタール民族代表機関代表者、メディア関係者、NGO関係者、独立専門家、さらに一時的被占領下クリミア自治共和国・セヴァストーポリの人物との事前協議を経て作成された。今回、同コンセプト案を市民社会との電子協議のために公開する」と書かれている。
同省は、先住民(クリミア・タタール人)言語支援分野の国家政策の補完が必要となっているのは、ロシア連邦によるクリミアの一時的占領の結果として、クリミア・タタール語の状況が危機的レベルにまで悪化しているためであるとし、被占領下クリミアにクリミア・タタール語話者の大半が居住していること、現地にてクリミア・タタール語が使える分野が制限されていること、特に、クリミア・タタール語による教育を受ける機会が減少していることを指摘している。
発表にて、オレクシー・レズニコウ副首相兼同省大臣は、「(専門家との)協議の結果、確信したことは、クリミア・タタール語を発展させるアプローチとして、同言語を『ウクライナのテュルク語』とみなすコンセプトが最適だということだ。同言語はウクライナ国民全体にとっての莫大な可能性であり、その可能性はまだ完全に理解されていない、ということである。現在、テュルク諸語の話者数は(世界に)1億7000万人おり、その中には、ウクライナの戦略的パートナーたちも含まれるのだ」と指摘した。
再統合省のイーホル・ヤレメンコ次官は、同省は、グーグルと言語学習サイト「DuoLingo」に対して、クリミア・タタール語をそれらサイトのサービスに追加するよう要請したと指摘した。加えて、同次官は、クリミア・タタール語は、(編集注:キリル文字ではなく)ラテン文字表記で発展をサポートしていくのが論理的であるとし、ラテン文字使用は国際的傾向とも合致すると説明した。
また、クリミア・タタール語普及諸方策は、国際先住民言語の10年間(2022年〜2032年)に実現されていくものだと書かれている。
同省ウェブサイトには、クリミア・タタール語発展・普及コンセプト案が公開されている。同案に関する意見提出は、2021年2月22日まで可能とのこと。
同省は、2020年12月16日、国連総会にて、クリミア人権決議が採択されたことを喚起しており、同決議では、ロシア連邦が、クリミアの住民、とりわけ、クリミア・タタール人、ウクライナ人などへの差別を継続していることが記述されていると説明した。